『番外編』
ネコミミver.black【7】

「早く、祐二」

 貴俊は祐二の肩を抱き寄せて耳元で囁いた。

 パジャマを下ろし露出した自身は祐二の手の中にあり、ビクビクと主張し硬さを増しつつある。

「は、早くって……」

「初めてじゃないはずだよ。ほら手を動かして?」

 貴俊は空いている方の手を祐二の手に重ねると動きを誘う。

 動かすたびに硬さも太さも増していく貴俊の肉塊を直接感じ、祐二の呼吸が少しずつ乱れ始めてきた。

「気持ちいいよ……、もっと動かして」

「お、おぅっ……」

 熱っぽく囁かれて祐二は貴俊の導きがなくても自らの意思で手を動かしている。

 いつもと立場が逆で自分が主導権を握っているはずなのに祐二はなぜか落ち着かないようにそわそわしている。

「祐二、ちゃんと扱いて」

 気もそぞろなのか時々手の動きを止めては小さな吐息を漏らす。

「た、貴俊……俺っ……」

 貴俊が絶頂を迎える前にとうとう祐二の手は止まってしまった。

 切羽詰ったように声を出す祐二は貴俊の顔を見上げたがそれ以上言葉を続けられないのか困ったように視線をそらしてはチラッと貴俊の顔を覗きこむ。

「どうしたの?」

 あくまでも優しく子供に問いかけるようにゆっくりと囁く声。

 貴俊は祐二から一言を引き出すために肩を優しく撫でる。

「俺もう……っ」

 潤んだ瞳がその後に続く言葉を語っている。

 本当ははっきりと祐二の口から聞きたいと思うけれどこれ以上望むのは難しいかもしれない、貴俊は肩を撫でていた手を祐二の顎に添えて上を向かせた。

「我慢できない?」

 祐二の下半身を覆っていた布団が捲られてしまい、祐二は答えるまでもなかった。

 まだ触れてもいないのに腹に着きそうなほど反り返り先端が雫で濡れている。

「ペットより先に楽になろうなんてひどいご主人様だね」

「ち、違うっ!」

「違うなら先に俺を楽にしてくれる?」

「ペ、ペットはご主人様に奉仕すんだろっ!」

 祐二が叫んだ。

 それはご主人様とメイドのような気もしたが祐二にはそんなことを考える余裕すらもなく、さっきから荒く熱い呼吸を繰り返しているばかりだ。

「可愛がってくれないとペットは言う事聞かなくなるんだよ?」

 少しずつ、少しずつ、貴俊は祐二の逃げ道を奪っていく。

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