『番外編』
ネコミミver.black【6】

「な、なぁ……ほんとごめんって……」

 もう何分も指を舐められている。

 指先がふやけてしまうんじゃないかと心配するほど祐二の指はずっと貴俊の口の中で絶えず舌が纏わりつき、祐二が気持ち良さそうに声を漏らすたびにその快感を妨げるように歯を立てられた。

「ちゃんとご主人様の言うこと聞く?」

「誰がご主人様だっ!」

 敵うわけがないとは分かっていても自分が下に扱われるのが一番嫌いな祐二の瞳に力が戻る。

 さっきまで頬を赤らめ瞳を潤ませているせいで、その眼光にはまったく鋭さがないことには気付かない祐二は真っ直ぐ貴俊を睨みつけた。

「だって祐二、耳を着けて鈴鳴らして可愛い声出してまるで子猫ちゃんだよ」

「これはお前が勝手に着けたんだろっ!」

 俺の知ったことじゃないと声を荒げて手を振り回すたびに首の鈴がチリチリと音を立てる。

 両手を掴まれても首を激しく振っていた祐二だがその鈴の音のせいですぐに気持ちが削がれてしまう。

「そんなにペットは嫌?」

「嫌に決まってんだろっ! そんなに言うんだったらお前がやれっつーの!」

「そうだね。じゃあ祐二にご主人様になってもらおうかな?」

「……へっ?」

 勢いよく啖呵を切った祐二だが思ってもみなかった貴俊に返事にポカンと口を開けた。

 驚いている祐二に構うことなく貴俊はニッコリ微笑んでいる。

「でも俺は猫というより犬っぽいからその耳は似合わないかなぁ……」

 真面目な顔をしてそう呟く貴俊の顔をマジマジと見つめる。

 あっさりと肯定されてどうしていいか分からない祐二は落ち着かない様子で視線を彷徨わせた。

「ご主人様はちゃんとペットの面倒を見なくちゃいけないんだよ? 今日から祐二が俺の面倒見てくれる?」

「め、面倒って何だよ……」

「んー例えばこれ……」

 思わぬ展開に戸惑いながら口を開く祐二だが自分の手がペットの貴俊の手によって導かれた先を見てギョッとする。

 パジャマの上からだが祐二の手の平は貴俊の股間に押し付けられた。

 確認するまでもなくそれが通常の状態でないことが伝わってくる。

「俺はいつもしてあげてるよね? ご主人様がしてくれないと」

「な、なんでっ! そんなの自分でやれよっ」

「祐二は俺のご主人様になりたいんだよね? ほら、ペットが辛そうにしてるんだよ。早く助けて?」

 貴俊はグイグイと手を引っ張るとパジャマの中へと祐二の手を引き込んだ。

 その力強さに抗うことも出来ずに祐二の手はあっという間に下着の中へと導かれ手の中に熱く硬い塊を握らされた。

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