『番外編』
ネコミミver.white【11】
「…………ンッ?」
肌寒さに気が付いた陸が体を起こした。
ベッドサイドの淡い光に照らされているうつ伏せの麻衣は自分の体の下にあり慌てて体をどける。
そして足元で丸まっている布団を引き上げようとしていた手を止める。
「あれ……俺たちって……」
二人の姿を見れば何があったかは一目瞭然だった。
しかも自分の股間には使用済みと一目で分かるゴムがぶら下がっている。
かろうじてシーツの上に落ちる事を阻止した陸は手早くティッシュで包みゴミ箱へ放り込む。
「そういえば……」
今日は急に召集された変な会合に麻衣と参加した。
美味しい鍋を食べて思いのほか楽しんで帰って来た二人はいつものようにベッドに入ってそれから……。
記憶を辿るうちに脳裏に蘇る激しいエッチの記憶。
「あ……猫、耳……尻尾!」
陸は思い出しように慌てて自分の後ろに手を回す。
だが尾骨の辺りには何もなく平らでホッとすると今度はすっかり熟睡している麻衣の髪を見た。
だが目に飛び込んできたのは枕元に転がる白い猫耳が付いたカチューシャと鈴の付いたチョーカー。
「やっぱ……夢かぁ」
ホッとしながら眠る麻衣を抱きしめるように体を寄せて横になる。
いつもよりも疲れたような顔で眠る麻衣の頬にキスをして電気を消した。
「それにしても……エロかったなぁ……」
まるで現実のようにハッキリと残る淫らな記憶に体の奥が熱くなる。
けれど体に残るいつもよりも激しい倦怠感にそれが夢か現実か混濁させた。
(そういえば……今日ってどんな風にしたっけ?)
いくら思い出そうと思っても脳裏に蘇るのは激しく淫らな記憶だけで陸は首を傾げた。
だが襲ってきた猛烈な睡魔には抗えず陸は瞼を下ろす。
すぐに規則正しい寝息が二つ、それはまるで一つに溶け合うように重なっていく。
チリン。
枕元の鈴が小さな音を立てた。
end
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