『番外編』
ネコミミver.white【9】

「あぁぁ……っ」

 少しだけ苦しそうに麻衣が声を漏らす。

 幾度となく受け入れてきたはずのそれにまるで初めて受け入れるかのような凶暴さを感じていた。

 体を押し広げるように奥へと進む欲望の硬さと熱さに麻衣が堪らず声を上げた。

「待……って、すご……」

「何言って、一昨日も上手に呑みこんでたでしょ?」

「だ、だって……今日はなんか大き……いっ……」

「可愛いこと言ってそんなに俺を煽ってどうすんの? ほら、まだ半分しか入ってないんだよ」

(嘘……半分?)

 陸の言葉に麻衣の体が反応する。

 半分しか入っていないという昂りを飲み込むようにヒクッと締め付けると陸は短く呻いた。

 だがその刺激がさらに欲望に凶暴にさせる。

「また……大きくなったぁ」

「麻衣が可愛いこと言うからだよ。あんまり締め付けないで、ね……奥まで入りたいっ」

 キツイ締め付けに陸も辛そうに眉間に皺を寄せる。

 だが覆い被さり耳元で囁きながら体勢のおかげで重みの増した両胸を持ち上げるように掴む。

 手の平で小さな尖りを転がしながら自在に形を変える柔らかい胸を揉むと麻衣の体は徐々に陸を受け入れていく。

「うぅ……っん、陸……ぅ」

「クッ……、入ったっすごいキツッ……いつもより感じてるでしょ?」

「あぁ、そんなこと……」

 溶け出しているんじゃないかと思うほど熱く潤うがきつく締め付ける胎内に自身をすべて埋め込むと陸は感嘆の息を吐く。

 その気持ち良さに柔肌を掴む指先にも力が篭る。

「すっげぇ……ぴったりじゃん」

 陸の言葉の意味を麻衣はすぐに理解出来た。

 息が詰まるほどの辛さだったのに受け入れてしまえば最初からそうだったように陸は自分の中に収まっている。

 寸分の狂いもなく作られた対の鍵のように互いを受け入れる。

 だがそう思っていたのは陸が抽送を始めるまでだった。

「あぁっん!」

 奥まで埋め込んだ自身を一気に引き抜いた陸は抜け出る寸前でまた奥まで突き入れた。

 その動きに体を仰け反らせた麻衣が声を上げる。

「まだ、一回しか動いてないよ?」

 こんなもんじゃないと宣戦布告のように告げられて麻衣は背筋にゾクゾクと快感が走る。

 その快感は胎内から陸にも伝わると陸は昂った興奮を散らすように短く息を吐いた。

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