『番外編』
2011☆SUMMER47
濡れた唇が肌に押し付けられ、その唇よりも熱い舌に肌をなぞられるたび、腰の奥が疼いてしまい足の指がシーツに皺を作る。
「ん……ぅ」
首筋や鎖骨に触れていた唇は、少し前から柔らかい二の腕に移動していた。
陸の手で頭上に一括りにされた両腕、服は脱がされていないものの、普段は晒されることのない脇の下を大きく開かされている。
「は……ずかしい」
手を解いて欲しいと何度も頼んでいるのに、陸は片手でしっかりとベッドに縫い付けたまま離そうとしない。
「だぁめ。身体中で俺を感じなきゃ、覚えられないでしょ?」
「も、もう……覚えた、から」
「ウソばっかり」
陽の当たらない二の腕の内側を、陸の唇は時々強く吸い上げてわずかな痛みを残していく。
見なくてもその場所に赤い跡が残っていることが想像出来て、しばらくは袖の無い物は着れないな、と考えていると陸が動きを止めた。
さっきの今でどうしたのかと、頭を起こすと考え事でもしているような顔をした陸が、突然身体を起こして空いている方の手をショートパンツに伸ばしてきた。
「り、陸!? 今日はしないって、さっき言って……、やっ……脱がさないで」
「無理。だって……俺、勃っちゃったもん」
脱がされまいと抵抗しても、その動きさえも逆手に取るように、陸はあっという間にショートパンツと下着を一緒に抜き取った。
「あ……明日、仕事だから!!」
「うん。送ってあげる」
翌日が仕事のある日はエッチはしない、それは二人で暮らし始めた時に決めたルール。
今までも完全に守られてはいなかったけれど、陸はよほどのことが無い限りそのルールを破ろうとはしなかった。
それをいとも簡単に破ろうとしている陸は、麻衣を脱がせたその手で、自分の下半身も露わにした。
膝立ちになった陸の下半身は、否応なしに麻衣の視界に飛び込んできた。
「あ……」
心の準備も出来ないまま、見せ付けられた陸の猛々しい雄に、思わず声が漏れる。
(やだ……陸、もうあんなに大きくなって……)
「なんかね。すげー興奮してんの。やばい、もう挿れたい」
欲情に染めた瞳が何も纏っていない麻衣の下半身を眺めている。
「ま、待っ……」
いつもは感じることのない身の危険を感じ、麻衣は無意識に足を閉じようとすると、陸は乱暴に足を割って身体を捻じ込ませてきた。
「り、陸!! 明日、仕事だから……あの……」
「仕事だから、なに?」
足を大きく開かされた中心、触れられてもいない場所に、熱くて硬いものが押し付けられる。
熱い塊を何度も何度も擦り付けられ、身体の中に挿っている時と同じその動きは、次第に麻衣の身体を熱くさせていった。
「あ、あんまり……激しく、しないで?」
仕事だからしないで、とは言えないほど身体は熱く昂ぶっている。
こんな時の陸は際限なく求めてくる、今までの経験から知っているからこそ、最初にブレーキをかけたつもりだった。
「んー……激しくなりそうになったら、麻衣が止めて?」
出来るなら……だけど、そう意味深に笑った陸は、まだ指も触れていないのに潤う身体の中心を力強く穿った。
「ああ……っ」
(すごく、大きくて……)
「気持ちいいんでしょ? 身体だけじゃなくて、麻衣の顔……すっごい気持ち良さそうな顔してる」
身体を重ね嬉しそうに笑う陸にキスをされ、身体に馴染むように身体を揺らされる。
止められないかも……そんなことを思いながら、愛しい陸の背中に手を回して「もっと」と囁いた。
end
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