『番外編』
ネコミミver.white【2】
「陸ー?」
「なぁに?」
「何をしてるの?」
「何って……エッチする準備」
と、胸を張って答える陸は麻衣をベッドに引きずりこんでニットのアンサンブルを脱がしに掛かっている。
リビングでお饅頭とお茶を早々に平らげた陸はのんびりお茶を飲む麻衣を急かして寝室へと連れ込んだ。
「お風呂は?」
「ん? どうせまた入るんだからいいって」
「陸……なんでそんなの嬉しそうなの?」
いつもよりも楽しそうな陸に怪訝な視線を向ける麻衣。
文句を言いながらも服を脱がせようとする陸の手を止めないのは止めても無駄だと分かっているから。
もちろんその事を分かった上で陸の手はするする麻衣の服を脱がせていく。
「耳の付いた麻衣とエッチ出来るなんて……この先絶対ないから」
聞かなくても分かっていたけれど実際に聞くと麻衣はやはりため息をついた。
どうしてそこまで猫耳にこだわるのか理解出来ないと首を横に振る。
だが合わせて鈴もチリチリと音を立て、それは余計に陸を喜ばせるだけだった。
「白い耳ってのがまた可愛いよねぇ……」
デレデレと目尻を下げて麻衣の頭の小さな耳に手を伸ばす。
陸は起毛の手触りを楽しみながら指先で両猫耳を弄る。
「……んっ」
麻衣が小さな声を漏らす。
それは感じている時に出す声とよく似ていて陸は驚いたがすぐに笑顔になる。
「なぁに麻衣だってすっかりその気じゃん。そんなに煽らなくてもすぐに気持ち良くしてあげるって」
下品な笑みを浮かべながら自分の服を脱ぐ。
互いに下着姿になると陸は先に麻衣の下着に手を伸ばした。
だが麻衣の表情が気になって手を止めた。
少し考えるような表情で眉間に皺を寄せている。
「麻ー衣、どうしたの?」
「うーん……なんか……」
「なぁに? 言ってよ」
「……う、うん。あのね……もう一回、耳触って?」
「せっかちさんだなぁ」
麻衣の言葉に嬉しそうに笑いながら陸は麻衣の耳たぶを口に含む。
だが麻衣の手が強い力で陸の体を押し返す。
「ち、違う……こっち」
こっちと指差したのは麻衣の頭の上の白い猫耳。
こっち? と陸も確認するように猫耳を指差すと麻衣は黙って頷いた。
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