『番外編』
節分2010【5】
手の平でやんわりと包み込まれた祐二が硬さを失っていくのが分かる。
「た……貴俊、冗談だよな?」
「どうしてそう思うの?」
「だ、だって……痛い……」
「うん、痛いよ。でも……祐二も分かっててやったんだよね?」
明らかに怯える祐二に向かってニッコリと微笑めばさらに表情を引き攣らせる。
本当は祐二の身体に傷なんて作るつもりはないし、そもそもそんなことをして今後二度と出来なくなるような事態だけは避けたい。
さっきの仕返しのつもりだけれど、祐二の想像以上の反応の良さについ悪ノリしてしまう。
「ああ……そうだ。こっちの小さな豆も食べちゃおうか。こんなに小さいから簡単に千切れちゃうかもね」
「ち、ちちちち……ぎれ……」
「丸かぶりはその後にしようか。まずはこっちの豆から……」
すっかり萎んでしまった祐二から手を離し胸元の小さな突起へと指を伸ばす。
どこで止めてあげようかな……。
まさか本当に食べるわけにもいかないし、本気で祐二に嫌われる前にほどほどにしておかないと。
慎重にそのタイミングを窺っていた俺の目には怯える祐二の姿。
いけないとは思いつつもやっぱりいつも勝気な祐二のこんな姿はそそられる。
「ご、ごめんって……。もうあんなことしねぇから、ちゃんと舐めるから……だからっ……」
指の腹で愛撫していた俺の手を握ってきた祐二は少し泣きそうな顔をしている。
もう……どうしてそんなに可愛いの?
これ以上苛めるのは得策じゃない、この後は思いっきり祐二を気持ち良くしてあげよう。
そう思ってまずはキスをして安心させてあげようとした俺は祐二の行動に思わず目を瞠った。
身体を起こした祐二はまだ広げられたままだったズボンの前に手を伸ばしまだ半分ほど起き上がっている状態のモノに触れた。
「ゆ……うじ」
「い……痛かったよな。ご、ごめんな」
俺に謝っているのかそれともそのものに謝っているのか、祐二は労わるように撫でてから舌で舐め始めた。
柔らかい舌が丁寧に舐め上げるたびに快感が背筋を駆け上がる。
「祐っ……」
いつものおざなりな感じとは違う、熱い口の中に包まれた後も舌は絡みついてくる。
思いがけず濃厚な愛撫をされ息を乱してしまうと祐二の下の動きがさらに激しさを増す。
まるでわざと立ててるんじゃないかと思うほど濡れた音は大きく、祐二が顔を前後に動かすたびに見え隠れする濡れた唇に目を奪われた。
「祐二も気持ち良くしてあげる」
俺の言葉に素直に頷いた祐二は一旦口を離すといつものように横たわった俺の身体に跨った。
祐二も感じてたんだね。
邪魔な物を取り払われてシャツ一枚になった祐二の身体、俺の顔の前には既に雫を零している祐二のモノが触れられるのを待っている。
じれったそうに腰を揺らす祐二を優しく握り口へと運ぶ俺の視線の先には快感に負けじと口を動かす祐二。
幸せだな……と思いながら祐二に言ったらまた怒りそうなことを考えていた。
君が居る場所、そこがいつだって恵方になるんだ。
end
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