『番外編』
内緒の二時間【6】
後ろから激しく突き上げられるたびに体の奥から溢れ出た雫が行き場を失ったように飛び散る。
太ももやシーツを濡らしているの汗だけじゃない、私はただシーツを掴んで止まらない声を上げることしか出来ずにいた。
「も、も……ぅっ」
突き上げられながら敏感な蕾を指で摘まれて何度も達しているのに一向に終わる気配がない。
さっきまで口の中にあった時とは比べ物にならない質量の和真の物が内壁に押し付けられるように動くたびに溢れる滴が太ももを伝う。
「どうした?」
途切れてしまう声を拾ってくれた和真が肩を掴んで体を引き起こした。
「あぁっ……んっ」
「今ので感じたのか? やらしいな、お前」
体を起こしただけ……膝立ちになって私の背中と和真の胸板がぴったりくっついて和真を近くに感じただけ。
それなのに火の点いた私の体は堪らないと悦びの悲鳴を上げた。
「こっちも硬くして」
体を逸らして突き出された胸を和真の手が覆った。
揺すられるような腰の動きにさっきまでの激しさはなく、呼吸を整えようと息を吸い込むと胸を覆っていたはずの手が先端を捉えた。
「アァッ!!」
「クッ……締まっ……」
膝立ちで安定感のない私は与えられる快感に何かにすがろうと手を伸ばしたけれど空を掴むしか出来ない。
「いいっ……いいい……っ。あぁぅっ……ん」
「本当に……凄いな……ッ」
まるで独り言のような和真の声が遠くに聞こえ、再び私の体はベッドへと戻された。
再び激しい嵐の中に放り込まれたみたいに揺さぶられて目の前が真っ白になる。
「かのこ、かのこ……」
「……ん、かず…………」
名前を呼ばれて顔を上げて振り返った私に和真は体を屈めてキスをしてくれた。
「腰動かせ。俺を達かせないと終わらないぞ」
優しいキスをされながら甘い響きのある悪魔の言葉を囁かれた。
もうずっと絶頂の波の中にいる私の体はフラフラで今すぐにでも解放して欲しいと訴える、でも一度も達していない和真の体がそれを許してくれなかった。
重い体に鞭を打つように私は手で体を支えると腰を動かした。
「うぅっ……」
和真に突き上げられるよりも未熟なその動きで和真が気持ち良くなってくれるとは思えない、それでも私の腰に添えられた和真の手はまるでそれでいいというように優しく撫でてくれる。
ゆっくりとした動きはより中にいる和真の硬さや大きさがリアルに伝わる。
熱いものが自分が動くたびに出たり入ったりすると、グチュグチュと濡れた音がして体の奥がキュッと痺れた。
「気持ち良さそうだな」
「んっ……んんぅ……」
「だが……このままじゃいつまでたっても達けないな」
「だ……って……」
「別に俺はこのままでも構わないが……バーベキューはいいのか?」
最後に言われた言葉に私の頭の中が急にクリアになった。
そうだ……こんなことしてる場合じゃ……私バーベキューがあって、先輩達や会社のみんながきっと食材とか待ってるのに……。
それなのにこんな風にベッドの上にいるなんて……。
「和……」
「行きたいなら俺を早く達かせろよ」
許しを乞おうとしたけれどそれより早く和真に釘を刺されてしまった。
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