『番外編』
内緒の二時間【4】
手に触れている時は気付かなかったけれど、口の中に含んでその大きさがまだ私の知っているソレとは違うことに気が付いた。
それでも口の中を埋めつくす質量に苦しさを覚える。
もっと大きくなったらまた最後まで出来ないかもしれない、そしたら和真をガッカリさせてしまうかもしれない。
前にした時には苦しさに耐えられず途中で根を上げたのにその時の和真は決して怒らなかった、むしろ逆に優しくてその後には何度も何度も愛撫だけで達してしまった。
本当は物足りなかったのかもしれない。
他の人とはしたことないけれどきっと和真のしてくれるエッチはすごく気持ちいいんだと思う。
もちろん和真が今までに色んな人と経験して来ているのは知ってる、本当は自分とは釣り合わないくらいとても素敵な人だってことも分かってる。
だからこそ少しでも和真を喜ばせてあげられたら、もっともっと私のこと好きになってくれるんじゃないかって思う。
その為にエッチなことを頑張るっていうのはおかしいって思われるかもしれないけど、私に何が出来るかなんてよく分からないしそれなら和真がして欲しいことをいっぱいした方がいいかなって……。
口に含んだまま唇をすぼめて前後に動かす。
「そうだ……」
髪の毛をくすぐるように和真の手が動くのが嬉しくて、もっともっとと口の奥へと入れようとするけれどすべて収めるには程遠い。
奥へ入れれば込みあげてくる嘔吐感で涙目になった。
「ふっ……ん、んぅっ……」
「かのこ、体動かせるか?」
腰に手を添えられて力の加えられる方に膝で動く。
その間も私は動かすのを止めず口に入りきらない部分は手の中に包み込む、上手く飲み込むことの出来なかった唾液が私の手を濡らし動かすたびにニチュニチュと恥ずかしい音がした。
「噛むなよ?」
胡坐をかいた和真の足の上に乗り上げるような格好をさせられると和真がそう囁いた。
どういう意味だろう?
不思議に思っていたけれど腰に添えられていた手が突き出されているお尻に触れると和真のしたいことが分かってしまった。
「んぅっ……」
思わずすべての動きを止めてしまった。
和真の指が私の一番大事な所に触れて、私にもハッキリと水音が聞こえてしまった。
「もう濡らしてるのか?」
「ふぅぅ……ん」
「いつの間にこんなにやらしくなったんだ? 咥えるだけでも感じるようになったのか?」
「ふぅぅん、……っううん」
そんなことないと否定しようと口を離そうとすると髪に触れていた和真の手で遮られた。
自分ではそんなことないと思っていても、体がそれを証明しているのが分かる。
和真の長くて細い指が動くたびに私の体には電流が流れたみたいで痺れてしまい、その刺激に耐えるたびに最初に和真に注意されたのに歯を噛みしめそうになってしまう。
ダメ……そんなことされたら……私。
「かのこ、口が疎かになってるな。もう終わりなのか?」
その言葉が私には「もう出来ないのか」と突き放されたように聞こえてしまった。
もしかして和真は他の人と比べてるかもしれない、こんなことで何も出来なくなってしまう私にガッカリしているのかもしれない。
和真にも気持ち良くなって欲しい。
その思いだけが私の体を動かしていく。
歯を立てないように口と手を同時に動かして、唇が濡れた和真のモノを滑ると恥ずかしい音がする。
でもそれよりももっと恥ずかしい音が自分の後ろの方から聞こえてくる、止るどころかもっと激しくなるその音と同時に与えられる刺激に耐え切れず大きくなったモノから口を離した。
「あぁ……和真ぁ……」
「どうした?」
「それ、ダメ……ダメです……」
「気持ち良くないのか?」
「違っ……だってぇ…………ンッ!」
突き立てられていた長い指が体から出て行きホッとしていた私の体にビリリッと刺激が走った。
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