2010、夏祭り:-one-10
快感がこのままずっと続けばいいと思う一方で、限界まで膨らんだ欲望の塊を早く出してしまいたいと気持ちが逸る。
「は……っ、いいっ」
陸は荒くなった息を吐いて、麻衣の腰を掴んだまま身体を起こした。
「きゃっ……ぁん」
繋がったまま向かい合って座るとより麻衣の奥へと入ることが出来た。
「陸、すご……っ」
さらに甘さを増した麻衣の声にキスを返して腰を揺する。
「この体勢好き?」
「んっ……好き……ぃ」
「どうして?」
「陸が色んなとこ、見ないから」
そう言って麻衣に身体を寄せられて、陸は唇を尖らせる。
「ええっ、俺は見たいよ。麻衣のエッチなあそことか、可愛いこことか、セクシーなお尻も」
顔を屈めて胸の先端にキスをして、腰から続くなだらか曲線を描く双丘に指を食い込ませる。
「やっ……ん」
「その可愛い声も大好き」
浮き出た鎖骨にキスをして、小さな顎にもキスをして、最後に触れた麻衣の唇が笑いかけた。
「今日はとってもお喋りなのね」
頬に伸ばされる麻衣の指の仕草が驚くほど妖艶で、まるで知らない女性を相手しているみたいだ。
「麻衣、名前……呼んで」
「陸……大好き、陸」
愛しい人の声、他の誰が呼んでもこんな響きは持たない。
「俺も、大好き。麻衣が誰よりも大好き」
ベッドの上で交わした言葉は、どんな愛の囁きでも下りたらその効力は消える。
その時を盛り上げるためなら、どんな歯の浮くような言葉も口に出来た。
麻衣だけは違う。ベッド中でも外でも、夜でも朝でも、愛しいと思う気持ちが心を満たす。
陸はまるで誓いのキスのように麻衣と唇を合わせた。
欲望を満たすだけのセックスだけでは味わえない感覚、獣のように本能のまま貪るのに触れ合う時の気持ちは初めての時みたいにときめく。
「麻衣……ごめん。そろそろ動いていい?」
気持ちが満たされると身体が疼いてしまい、苦笑いを浮かべると麻衣は何も言わず頷いた。
はち切れそうだった昂ぶりが少し落ち着いたおかげで、麻衣の身体を思うように責めることが出来そうた。
「麻衣、おいで」
陸は身体を倒すと馬乗りになっていた麻衣を抱き寄せた。
「この体勢も好き?」
「ん……好き」
胸と胸をぴったりとくっつけるように麻衣を抱きしめる。
「どうして?」
「陸がギュッとしてくれるから、それに……」
「それに?」
「奥まで……陸が来てくれるから」
もう言葉はいらなかった。
麻衣の腰を掴んだら夢中で腰を突き上げる。
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