2010、夏祭り:-one-8


 キスをして胸に触れて、相手が喜ぶような甘い言葉を囁いて、一度指で達かせてから自分のものを咥えさせて、それから中に入ってゴムの中で果てる。

 あまりにおざなりだったエッチの内容に、当時の相手には申し訳なさを覚える。

 麻衣と身体を重ねることは色んな意味で特別だ。

 いつだって忍耐力を試されるけれど、麻衣の反応は本当に男の自信をくれる。

「指がこんなに気持ちいいんだ、中に入ったらすぐに達きたくなるのは当然だ」

「な……に?」

 思わず声に出した独り言に麻衣が頭を起こしたけれど、陸は何でもないよと首を振って蜜壷の中を指で探る。

「ああっ!」

「ここ、だね。グチュグチュにしてあげるよ」

 指を動かすとすでにグチュグチュと音を立てるが、構わうことなく陸は内襞の一番感じる場所に指を押し当てる。

 押し当てたままバイブレーションさせると、麻衣が顔を左右に振って高い声を上げた。

「や、やぁっ……んんぅっ!」

「唇噛んじゃだめ。ほら、気持ちいいでしょ? 声、聞かせて」

 下唇を噛んで喘ぎ声を堪えようとする麻衣に、陸は指を伸ばして唇を抉じ開ける。

「うっ、ふ……っ、ふぁっ!!」

 唇を割った指に邪魔されているからなのか、声にならない喘ぎ声が寝室中に響く。

 シーツを掴んだ麻衣の足が閉じようとしても陸の足に阻まれて叶わない。

「中がビクビクしてきた。もう達きそうだね。いいよ……ほら、こっちは口でしてあげる」

 麻衣の口に指を入れたまま、陸は身体を屈めるといつもは隠れている花芯を唇で挟んだ。

 グチュグチュという音がビチョビチョに変わり、ぷっくりと膨らんだ花芯を吸い上げると麻衣の身体が瞬間的に強張った。

「ふ……ぁっ、ああ……っ、もっ……」

「もう達っちゃったの? まだこれからいっぱいしてあげようと思ってたんだよ?」

 麻衣の口から手を引き抜いた陸は、身体をビクビクさせて大きく上下させている胸元にキスをした。

「だ、……て」

「ん?」

「陸、気持ちいい、とこばっかり……触るから。我慢、出来なくなっちゃう」

「……ウッ」

(我慢出来なくなるのは、こっち!)

 意地っ張りで恥ずかしがり屋だから普段はなかなか見ることが出来ないけれど、一度スイッチが入ってしまえば最中の麻衣は小悪魔そのものだ。

 陸は前屈みになりながら、ベッドサイドの引き出しに手を伸ばした。

「もう中に入らせて。麻衣が煽ったんだよ。本当はもっと後の予定だったのに、こんなエッチな麻衣……反則」

「陸が……エッチにしたくせに……」

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