2010、夏祭り:-one-5
「もしかして……触ってもらうの待ってたの?」
膨らみを揉む手に力を入れて麻衣の顔を覗き込むと、麻衣は目元を赤らめたままぷいと横を向いた。
(可愛い、そんなことしたら逆効果だって分からないとこがますます可愛い)
「麻衣はここをどうされるのが好きなんだっけ?」
陸は胸の先端に指先を乗せ、軽く触れながら円を描く。
自分にはそういう気はないと思うけれど、まるでいじめっ子の気分だ。
困った顔や恥ずかしい顔を見たくて、麻衣の嫌がることをしてしまいたくなる。
「もうっ、意地悪!」
思った通りの態度を見せる麻衣が逃げるように背中を向けてしまった。
こういうのは引き際が肝心、そういうプレイをしたいわけじゃないし、それ以上引っ張るのは意味がない。
陸は麻衣の背中から抱きしめるような体勢を取ると、空いている方の手でパジャマのボタンを外した。
パジャマをするりと脱がせ、剥き出しになった肩にキスをする。
「ん……ふ」
「麻衣、こっち向いて?」
肩から首筋へキスをしながら移動した陸の唇が麻衣の耳たぶを軽く噛む。
「可愛い顔見せて」
「や……っ」
耳に直接言葉を吹き込むと、まだ恥ずかしさが勝つらしく、今度は顔を枕に埋めてうつ伏せになってしまった。
(そんなことしたら、こうされちゃうのに)
麻衣の身体を跨いで、無防備な背中からパジャマを脱がす。
ベッドサイドの淡い光の中に浮かび上がる白い肌に喉がごくりと音を立てた。
耳の後ろからうなじを通り、肩甲骨に触れた指先はそのまま背筋に沿って腰まで下ろしていく。
麻衣の身体は店に来る女の子達のように、限界まで細くした身体とは違う。
全体に丸みを帯びて女性らしい身体つき、手の平で包み込むには少し大きめの胸は柔らかく、くびれたウエストから続くヒップは男にはない弾力がある。
本人はもう少し痩せたいと口にすることが多いけど、まるでマシュマロのような麻衣の身体が好きだ。
「ドキドキしてる」
背中に手を当てただけで、麻衣の鼓動の早さが伝わってくる。
「背中もすごくセクシーだ」
背中の柔らかい部分をきつく吸い上げると、白い肌には簡単に赤い跡が散る。
肌の露出が多いこの季節、麻衣は跡を付けると嫌がるけれど、服を脱がないと見えない部分ならと脇腹を責める。
「やぁ……っ、ん」
「くすぐったい?」
「んん……っ、舐めちゃ……だめ」
今の一言で心臓が跳ねるのを感じた。
陸は舌先で愛撫していた脇腹に軽く歯を当てて身体をずらす。
粟立った麻衣の肌を唇で確かめながら、肌にわずかに食い込ませている歯で薄い布地を噛んだ。
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