2010、夏祭り:意地悪な恋21


 無理矢理引き上げられたブラジャー、前屈みの体勢のせいで揺れる膨らみは、すぐに和真の手に覆われた。

「こうされるといつも泣いて喜ぶだろうが」

「やっ、ああぅ……」

 大きく揉んでいた手が今度は繊細に硬く尖った先端を摘む。

 胸を弄られているのに、熱くった身体の奥が和真を喜ばせたのが分かった。

「くっ……、締め付け……なっ」

 舌打ちをして荒く吐いた息が首筋に掛かり、それだけでも身体が反応をしてしまう。

 身体のすべてが性感帯になって、そのすべてで感じさせられたかのこは涙声で根を上げた。

「もう、許して……っ、お願い。和真……もうっ、達かせて……欲しい」

「さっき達っただろ」

「これ、以上……されたら、おかしくなるっ」

「なれよ。俺は構わないぜ。どこまででも狂わせてやろうか」

「い、いやぁぁぁっ!」

 腰を叩き付けるように奥を抉られて叫び声を上げたかのこに、和真が慌てたように手を口に塞いだ。

「バカが……声がでかい」

 だって……と口を開いた言葉は手の平に吸い込まれてしまった。

「今の声で誰か来たらどうする?」

 回すようにゆっくりとした動きに変えた和真が口から手を離して聞いてくる。

「だ、だめっ」

「ダメって言ってもなぁ。声を出したのはお前だし、見られても自業自得だ」

「じゃ、じゃあ……止めよ? 続きは和真の部屋に帰ってから……」

 忘れていたわけじゃないけれど、ここは夏祭りの会場になっている公園の敷地内、会場からも露店が並ぶ場所からも離れているけれど、人が来ないという保障はどこにもない。

 ど、どうしよう……こんな所を人に見つかったら、変態とか思われちゃう。

 ううん……思われるだけならいいけど、もし和真だってバレたりでもしたら、社会的な信用だって失っちゃうかもしれない。

 急に冷静になったかのこに気が付いたのか、和真が優しく首筋にキスを繰り返す。

「真に受けるなよ。泣くほど感じてるお前のこんな姿、他の奴に見せるわけないだろ。見ていいのは俺だけだ。それに……こんな場所へ来るような奴の目的は、今やってることと大差ないだろうし、他人のことなんて興味ないさ」

 じゃあ和真は最初からこれが目的でここへ来たのか、そんな疑問が頭に浮かんだけれどそれを口に出すことはなかった。

「でも、まあ……長居は無用だし。そろそろ終わらせるか」

 それが合図になった。

 また大きな声を出すことを警戒したのか、和真は片手で口を塞いで動きを速くした。

 インターバルを置いてクールダウンされたはずの身体だったのに、あっという間に熱くされてしまうと、塞いでも意味が無いほどの喘ぎ声を我慢することが出来なくなった。

 一番大きな波が来て意識が飛びそうになる直前、同じように限界が来ていた和真に強く抱きしめられたまま、耳元で囁いた和真の声を聞いたような気がした。

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