2010、夏祭り:意地悪な恋20


「あ……あっ」

 指とは違う快感に肩に置いた手に力が入る。

 前屈みになったかのこの視界には膝の裏に手を当て持ち上げられた足、大きく開いた場所に顔を埋めた和真の頭が映った。

 舌が溢れたものを舐め取るように動くたび、身体の奥が熱くなり新たな蜜を零す。

「い……いいっ」

 指で弄られていた小さな蕾に舌を絡められ、柔らかく歯を立てられて堪らず声が出た。

 歯を立てられたまま尖った舌先に突かれると、かのこは腰を大きく揺らして一際高い声を上げた。

「あ……嘘ぉ……」

 ガクガクと震える膝で懸命に身体を支えていたかのこの口から驚愕の声が零れた。

「おいおい。早いだろ」

 顔を上げた和真に笑いながら揶揄されて、恥ずかしくて堪らず足を引いたかのこの上半身が大きく揺れる。

「おいっ!」

「ご……ごめんなさい」

 慌てた立ち上がった和真に支えられて、倒れることはどうにか免れたけれど、呆れた和真の大きなため息が聞こえた。

「驚くだろうが」

「ごめん……なさい、足に……力が入らなくて、それで……」

「ああ。あれだけで達くくらい感じたんだ。そうなって当然か」

「もう……恥ずかしくて、死にたい」

「これくらいでか? 本番は今からだろ」

 ニヤリと笑う和真に隠せない不安、それを大きく上回る期待感が、従順さに拍車をかけた。



 手を付くには頼りない太さの木が、風も無いのに葉を揺らして音を立てる。

 誰かが来るか分からないからな、と言った和真は後ろを向かせたかのこを一気に貫いた。

「あ……つい、すごく……おっきい」

「熱いのはお前の中だ。すげぇな、絡み付いてくる……っ」

 直接触れ合っているせいなのか、繋がっている場所がいつもよりもずっと熱い。

 1ミリにも満たない薄い隔たりがないだけで、これほど与えてくれる快感が違うことに驚いてしまう。

 音も声も気にしてる余裕なんかない。

 和真の昂ぶりで奥深くを突かれると開きっぱなしの口から声が漏れ、ギリギリまで引き抜かれると身体が嫌だと言ってるみたいに震える。

「かのこ、気持ちいい……か?」

「うっん、気持ち……いいっ」

 後ろから覆い被さるように回された和真の手が、浴衣の胸元を探り乱暴に左右に開かれると肩が剥き出しになった。

「だ、だめ……和真っ」

「ダメなのはお前だ。着物のくせにこんなもの着けてんじゃねぇよ」

 和真の息が速い、言葉も乱暴になってて、聞かなくても和真がいつもより感じているのが分かった。

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