2010、夏祭り:意地悪な恋19


「こんな場所でも感じる身体にしたのは、俺だろ? 俺以外の男とやろうと思うなよ」

「おっ……思わな……っ」

「その方が賢明だな。こんなことをされないと感じない身体だなんて知られたら困るもんな?」

「意地……悪……っ」

「でも、好きなくせに」

「んぅっ」

 そう、何をされても嫌いになれないのは、根底にある「好き」という気持ちが大きすぎるから。

 そもそも出会った時から和真は意地悪で、逆に意地悪じゃない和真だと違和感を感じるくらい、あまり認めたくはないけれど意地悪な和真が好き、ということになる。

「それにしても……すごい濡らし方だな。周りが静かだからか? 音が響く」

 和真の言う通りだった。

 奥へと挿し込まれた和真の指が動くたび、際限なく溢れる蜜が音を立てる。

 花火が上がると一瞬はその音に掻き消されるものの、すぐに戻ってくる静けさに再び感じていることを思い知らされる。

「や……ぁっ……」

「お前は直ぐにそれだな。喜んでいるくせに嫌と言う。素直じゃないということは、止めてはもっとの意味か?」

「ち、違……っ。ああっん!」

 中を弄る指を二本に増やされて、自分でも知らない感じる場所を激しく擦られた。

 いきなりの激しい快感に膝から力が抜け、思わず和真のシャツにしがみついた。

「や、やめ……っ」

「もっと、だろ?」

 違うと首を横に振っても和真の指の動きは止まらない、それどころか器用な指は中だけではなく外からも刺激を与えた。

 普段は埋もれている小さな蕾を指で捕らえられ、与えられる小さなバイブレーションに口からはあられもない声ばかりが零れてしまう。

 自分ばかりがこんなに乱れて、和真は服も息も乱していない。

 エッチをする時に思うことは、一緒に気持ち良くなって欲しいってこと、和真にとって自分がどれほどの快感を与えられているのか分からないけれど、こんな風に自分だけ快感の波に放り込まれるのは少しだけ怖い。

「和真、和真……和真……」

「欲しいんだろ、言えよ」

 違うの、そうじゃなくて……和真にも欲しいって言って欲しい。

「和真、もっ……欲しいって、言って?」

「ああ、お前を気持ち良くさせてからな」

「え、な……なに?」

 視界から和真の姿が一瞬消えた。

 すぐにしゃがみ込んだことは分かったけれど、達くに達かせてもらえず中途半端なまま放り出された。

 感じたままの身体をどうすることも出来ずにいたかのこは和真に手を取られた。

「倒れるなよ?」

 肩に手を付かされ、されるがままになっていたかのこは、しゃがみ込んだ和真に片足を持ち上げられて、ようやく何をされるのか理解した。

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