2010、夏祭り:君の隣21
最後の一滴まで吸い取られて、ようやく解放された祐二はずるずると浴室の床に座り込んだ。
貴俊が喉を上下に動かすのを見て、自分の吐き出した精を飲まれた事実に顔が熱くなる。
(そんな美味そう顔すんな)
濡れる唇も舌で舐め取った貴俊の表情の艶かしさに祐二は思わず視線を落としたが、今度は昂ぶった貴俊のソレが視線に飛び込んできてしまった。
(俺ばっかじゃ……ダメ、だよな)
貴俊に強要されれば口に含むこともあるけれど、気持ち良くしてもらうばかりで自分から進んでしたことはない。
(したら喜ぶ、かな)
貴俊のように上手に出来る自信はないけれど、それでも貴俊なら喜んでくれるような気がした。
「貴俊……俺、も……」
持てる勇気をすべて振り絞って切り出した祐二はおそるおそる伸ばした手を貴俊に止められた。
拒否されたと思うと胸がズキリと痛む。
「な……」
ショックを受ける自分に腹を立てながら、祐二が顔を上げると貴俊は余裕のない顔をして口を開いた。
「祐二の中で達きたい。中に入らせて、祐二を感じさせて、お願い」
今日の貴俊には調子を狂わされてばかりだ。
いつもなら一言目には「嫌だ」を祐二だが、自然と膝をつき背中を向けると浴槽に手を付いた。
恥ずかしくないわけじゃない、これからされることの恥ずかしさは嫌というほど知っていても、あんな声で求められて考えるよりも先に身体が動いた。
「膝、痛いでしょ? 少しツライかもしれないけど立って」
恥ずかしさが先行して足の痛みなんて気にならない、祐二は首を横に振って額を浴槽に付け、腰を突き出した。
「祐二……」
余裕のない掠れた声で名前を呼ばれて達したばかりの自身が揺れる。
(あ……っ、来る……っ)
尻に手を置かれて左右に引かれると普段は隠された蕾が空気に晒された。
視線に晒されただけでヒクッと震えてしまう恥ずかしい場所に息がかかり、すぐに温かくヌルッとしたものが触れた。
「あっ……ぅ」
まだ固く閉じている蕾を綻ばせるために、細くなった舌先が中心を念入りに突く。
昂ぶる自身を口に含まれる快感とはまったく違う快感と、同時に普段は感じられない羞恥に浴槽の縁を握る指に力が入った。
「祐二、こっちもね」
慣れるまで時間が掛かることを知っている貴俊の手が前で揺れる自身に伸びた。
再び芯を持ち始めたソレを今度はさっきよりも優しい手つきで握られる。
「ふぅ……んっ」
精を放ってますます敏感になった自身を擦られて、自然と甘えるような声が出た。
前を扱かれながら舐められて後ろの蕾はゆっくりと開く、貴俊を受け入れるためにはもっと開かれなくてはいけないことを知っている。
開きかけた蕾に舌先が埋まり、小さく抽送を繰り返しながらゆっくりと奥へ奥へと入り込んでくる。
「く……っ、んぅ……貴俊ぃ」
自然と出る声がどれほど甘いものか、分かっていても止めることが出来ず、祐二は触れられる貴俊の熱に蕩かされるままになっていた。
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