『いつかの夏へ』
4
(や…学校…なのに)
ドキドキしながら雅樹に体を預ける。
雅樹は私の横に手をつくと肩を抱いている手に力を入れて強く抱き寄せた。
雅樹の顔が近づいてくる。
「…ねっ…ダメだよ。誰かに見られちゃったら…」
こうされる事に慣れなくて両手で雅樹の体を押し返す。
激しい心臓の音が聞こえてるんじゃないかと心配になる。
「真子…」
雅樹が耳元で囁く。
その声に全身が熱くなると私は目を閉じた。
「タバコ」
雅樹の声に目を開ける。
「タバコの上に座ってんだろ」
「へっ?」
「プッ!変な顔」
雅樹が私の顔を見て吹き出した。
私はそぉっとお尻の下に手を入れるとカサッと何かが手に触れた。
「あーぁ」
雅樹は私がお尻の下から取り出したタバコを見てため息を吐いた。
見事に潰れてしまっている。
「タバコの上に座っても気付かないって…真子って鈍感なんだな?エッチの時は敏感のくせに」
「なっ……!!」
私は潰れたタバコを持った手を振り上げた。
「だいたい学校にタバコを持ってくるのがいけないんだからっ!」
潰れたタバコを投げようと振り下ろすと雅樹に腕を掴まれた。
強く掴まれて持っていたタバコが地面に落ちる。
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