『拍手小説』
も1-6

『一番嬉しいのはコレかも?』


「うわぁっ…何だこれ!」

 プレゼントを開けていた陸が大声を出した。

 麻衣は何々?と後ろから開けた袋の中を覗きこむ。

「えぇっ!?」

 麻衣も同じように声を上げた。

 陸は袋をひっくり返すと中身を床に出した。

「一体どんだけあるんだよ…」

「聞くまでもないだろうけど…これって誰から?」

「店のやつらから」

 その中身はコンドーム。

 それも一箱や二箱じゃなく十箱以上。

 一つ一つ種類が違うらしく麻衣が興味津々の様子で手に取っている。

「うわぁ…つぶつぶグレープだって」

「これは温かいんだって!」

 麻衣は箱を手に持って陸を見た。

「誘ってる?」

「誘ってない」

「うーそだ。誘ってる…本当に温かいか試してみようか?」

「今度ね?」

「やだね。それに腹ごなししないと麻衣の作ってくれたケーキが入らないじゃん?」

 陸はコンドームを持つ麻衣を抱き上げて寝室へと運んだ。

 その陸の手にも別のコンドームの箱が握られていた。


end 

―40―
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