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『ヤバイってばよ！』
陸「こんちわー」
麻「ちゃんと挨拶してよ！えぇっと…麻衣です。こちらに出てくるのは初めてで少し緊張してます」
陸「念願の二人きりの登場だ！」
麻「二人きりってpacoさんは？」
陸「知らん」
麻「知らんって…。まさか陸ってば勝手にこんなことしてるの？」
陸「………」
麻「怒られたらどーするの？pacoさんに連絡しなくちゃ」
陸「だーめ！携帯取り上げるっ！」
麻「あぁっ！返してよー」
陸「やだ」
悠「り、陸さん…やっぱりこんなのマズイっすよ。」
陸「…お前いたの？」
悠「さっきからいるじゃないっすか！止めた方がいいですよー、あの人にバレたら何されるか分からないじゃないですか」
陸「バーカ、あんなのが怖くてホストやってられるかよ」
悠「俺は怖いです。この世であの人が一番怖いです」
麻「悠斗くん…一体pacoさんに何をされたの？」
悠「うぅっ…麻衣さん。聞くも涙語るも涙です。俺はあの人に…んぐっ」
陸「お前うるさい。さっさと帰れよー」
悠「痛っ！何するんですか。一応ホストなんすから顔は止めて下さいよ」
麻「陸！いい加減にしなさいっ！ だいたい今日のこれは何なの？」
悠「そうですよ！勝手にこんな事…」
陸「おかしいと思わないか？」
麻「何が？」
陸「出番がなさすぎやしないか？もう随分放置されてる気がする」
麻「そう言われれば…そうかも？」
悠「俺なんてずっと放置プレイなんすけど」
陸「これはゆゆしき事態だ」
悠「…ッ！無視ですか！もっと絡んで下さいよっ」
麻「ゆゆしきなんて難しい言葉知ってるんだ、陸」
悠「麻衣さんまで！どーせ俺なんか…なんか知らねぇけどいじられキャラだし、放置プレイ好きのＭだし」
陸「お前…Ｍだったのか…」
麻「………悠斗くん」
悠「どーしてそういうとこだけ絡んで来るんすかっ！！」
陸「うるさい。Ｍでも何でもいいよ。話続けるぞ」
悠「ぃゃ…ほんとＭじゃないですから」
陸「俺は断固抗議する！」
麻「抗議するって…pacoさんに？」
陸「他にいないだろ？どーも巷で俺達の不仲説が噂されてるような気がする」
悠「されてませんよ。二人がいつもベタベタしてるからみんな飽き飽きしてるんすよ」
陸「…お前顔殴られたいのか？あぁ？」
麻「もぅっ！でも確かにこういう所にpacoさんが出てこないのは不思議よね」
悠「…も、もしかして俺達もう出番ないんじゃ？」
陸「もともとお前は出番ねーだろ」
悠「なっなっなっなっ…」
麻「初々しさが足りなくなってきたのかも」
陸「初々しさ？」
麻「うん。珠子ちゃんと庸介くんの二人なんてすごく可愛らしいじゃない？」
陸「そーか？あの和真って奴とかのこは？初々しさのうの字もないと思うんだけど…」
悠「あれはたぶん和真さんがポイント高いんですよ。オーナーと同じ匂いがしますから」
陸「俺も同じだろ？」
麻「………」
悠「………」
陸「…何だよ。つーか俺だって本当はもっとクールなんだよ！ちょっと年上だからって…もう30だからオヤジだよオヤジ」
麻「…もう30のオバサンで悪かったわね」
陸「え？あ、えっと…い、いやっ…違うってそーじゃなくって」
悠「ヒヒヒ…」
陸「悠斗ッてめぇが余計な事言うからだ！」
麻「ね！何か聞こえない？」
悠「え？何すか？」
麻「シッ！静かにして…ほらなんか近づいて来る…」
ドシン…ドシン…ドシン…
陸「なんだ？巨人でも歩いてんのか？」
悠「お、俺…なんか悪寒がするっす…」
麻「も、もしかして…pacoさんにバレたんじゃ…」
陸「大丈夫だって！絶対バレないから」
麻「何で言い切れるの？」
悠「そうっすよ！あの人すっげぇ地獄耳なんすよ。つーか悪魔っす」
陸「なぜなら…」
麻、悠「なぜなら？」
陸「今アイツは忍者のアニメに夢中だからだ」
麻、悠「………」
陸「何だよその疑わしい目は」
麻「だって…ねぇ？」
悠「そうっすよ！あの人何歳だと思ってんすか。そんな子供のアニメに…」
陸「いや間違いねぇって！この前レンタル屋でＤＶＤ抱えてる姿を見かけた」
麻「人違いじゃないの？」
陸「いーや見間違えるハズがねぇ。帽子をあんなに目深に被って怪しい奴他に見た事がない」
ドシン…ドシン…ドシン…ドシンッ
悠「あーそれは間違いないかもっすね。そんな怪しいナリしてアニメのＤＶＤ抱えるなんて気持ち悪いっすよね」
麻「ゆ、悠斗くん…気持ち悪いことはないと思うよ？」
悠「気持ち悪いっすよ！」
陸「い、いや…それは言いすぎ…。いくつになってもアニメは心を癒してくれるっつーか…な、なぁ？麻衣」
麻「そ、そうそう。私だってアニメ見るもの。昨日の銀魂も面白かったよね…り、陸？」
陸「お、おぅ…あれはほんと面白いよな」
悠「そもそもあの人は自分の年を自覚した方がいいっすよ。今でもパフスリーブのレース付きのワンピースを着ようだなんて勘違いも甚だしいっす。もうお肌の曲がり角なんか当に過ぎて曲がりも曲がりこれ以上曲がれないとこまで来てるのに。自分がオバサンって…」
「ホォー」
悠「え…」
「オバサンって…の続きは？」
悠「ヒィィィィィィィッッッ！！」
麻「悠斗くん、悠斗くんっ！しっかりしてっ！あぁ…だめ…失神してる」
陸「やべぇ…」
麻「ど、どうしよう…」
「…どういうことなのか説明してもらうってばよ！」
陸、麻「…え？」
end
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