『5年は長かったですか、短かったですか?』

【-one-】
「なっげーーーよ!!」
「ちょっと、陸!!」
「だって、麻衣もそう思わない?? 俺は麻衣のことすっげぇ必死に口説き落としてプロポーズもした。ご両親公認で一緒にも暮らしてるのにまだ結婚してないってどういうこと!? これじゃあ、俺が甲斐性なしみたいじゃね?」
「別にそういうわけじゃないし……」
「それにさ、麻衣だって早くウェディングドレス着たいって思うでしょ? 女の子なんだし少しでも早い方がいいに決まってるじゃん! ね、そう思うよね??」
「それは……なに、ウェディングドレスは若いうちしか似合わない、とか言いたいの?」
「へ? あ、ち……違うっ! そうじゃなくて、俺は早く麻衣も結婚したいよね、俺のお嫁さんになりたいよね、って話がしたかったの!」
「ふぅん。別に私はどっちでもいいけど」
「えええっ!? どうして!? 結婚したくないわけ?」
「そういうわけじゃなくて。5年経ってても、2歳しか年を取ってないの。このまま永遠に30歳が来ないなら、結婚出来……」
「出来なくてもいいとか言ったら、俺……泣くからね」「で、でも……陸だっていつまでも若い方が……」
「泣くからね!!!」


【君の隣】
「俺はいつだって祐二の隣にいられればいいから、短くても長くてもあんまり関係ないかな。祐二は、どう?」
「俺は我慢出来ねー!!」
「え、何が?」
「もうずっと高2やってんだぞ!このまま永遠に高校生やんのかと思うとゾッとする。俺はいつまで勉強し続ければいいんだぁぁぁぁ」
「ああ……そういう意味ね。それは早く大人になりたいってこと?」
「おう!早く大人になって……」
「俺のお嫁さんになりたいんだね」
「…………は?」
「大丈夫。祐二に苦労なんてさせないように将来設計はバッチリだよ。伯父さんがやってる会計事務所に就職するつもり。頑張って働いてお金貯めて二人で暮らすマンションも買うからね」
「ちょ、ちょっと待て!」
「ん? もしかしてマンションより戸建の方がいい? 二人暮らしだしマンションでも十分かなと思ったんだけど、祐二が戸建がいいって言うなら俺頑張っ……」
「そーーーじゃねぇ! なんだよ、その……恐ろしい妄想は……」
「妄想じゃないよ。未来予想図だよ。ほら、目を閉じたらエプロンした祐二が俺を出迎えてくれる姿が浮かぶよ」
「…………俺、ずっと高校生でいい」


comment:(1)

[戻る]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -