(彼はキスがお好き)
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そういえば・・・。
ふと思い出して携帯を開くと、「新着メール1件」の表示。
さっき鳴ったような気がしたんだよねー。
またメルマガかな。
コンビニで買ったアイスを食べながら、メールを開く。
『ジャンプ買ってきて』
送信者の欄に表示されてる、銀時の2文字。
なぜジャンプ?
いやいや、その前に、なぜあたしがコンビニに行ったことがコイツにバレてるの?
ジャジャジャジャーン♪
メールの着信音。
そろそろ天国と地獄は恥ずかしいかな。
『こら!!アイスを食べながら歩いたら危ないでしょうが!!』
「・・・」
え、これ、なに?
アイス食べて・・・って・・・
「てめえはストーカーかああああ!!」
「げふっ!」
振り向きざまに、持っていた携帯を投げつける。
後ろにいた天パに見事命中。
「ちょ、酷!!名無しが心配で迎えにきただけなのに!!」
「だったら普通に迎えに来い」
なにストーカーみたいなことやってんだ。
そう言って、あたしは落ちてた携帯を拾い上げる。
よし、壊れてないみたい。
「で、ジャンプは?」
「メール見たの、今」
「・・・じゃあアイスとか・・・」
「神楽ちゃんと新八君の分しか買ってない。あと定春」
「え、なに、俺って犬以下?銀さん泣いちゃうよ?」
「泣けば」
「誰かー!この子に優しさと銀さんを敬う気持ちを教えてやってくださーい!!」
叫んでる銀時を無視して歩き出す。
そしたら慌てて付いて来た。
「・・・名無し」
「なに・・・!?」
呼ばれて、銀時を見た瞬間、塞がれる口。
チュッと軽いリップ音を鳴らして離れた銀時は、ニッと笑った。
「ごちそーさま」
「な、いきなり何すんのよ!?」
「だって名無しがアイスくれないっていうから」
名無しの分を頂きました。
そう言った銀時に、不意打ちをくらったあたしが反論できるはずもなく。
「もー、赤くなっちゃって可愛いなー」
「う、うるさいこの変態」
「俺は名無しに対してだけ変態なんですー」
またまた塞がれる口。
今度は長く、深く。
「ん・・・銀、時」
「・・・やべ、頑張れ俺の理性」
その言葉に、閉じていた目を開けると、ほんのり頬を染めた銀時の顔があった。
彼はキスがお好き