結果から言います、寝坊しました
酒に弱いわけじゃないのに、何故か出る時間ギリギリに起きてしまった
別に意識無くすほどに飲んだ訳じゃない、ちゃんと陸遜さんにおやすみなさいって言ってベッドに入った記憶はある
目覚ましだって鳴ったはずだ、起きれなかったけど

「名前殿、おはようございます」
「おはようございます!」

挨拶だけして、ばたばた準備をする
洗顔、メイク、着替えまでを10分で終わらせた自分に拍手を送りたい
陸遜さんが目を丸くしてるけど、気にしてる余裕もない
最後にご飯についてと、玄関の鍵の開けしめを陸遜さんに説明して、私は玄関に手を掛ける

「帰ってきたらチャイムを鳴らすので、音がなったらさっきの通り鍵を開けてください」
「分かりました」
「私が出たらしめておいてくださいね、じゃあ行ってきます!」
「行ってらっしゃい、お気をつけて!」

振り向かず外へ飛び出す
部屋の方からカチャンと鍵が締まる音がしたから大丈夫だろう

そこから昼休憩までの記憶は曖昧だ
何故か午前中から予約で一杯だった店で仕事で手一杯
なぜ今日はこんなにドタバタなんだろう……おかげでしようと思ってた事を忘れそうだった
雛子へのメールだ
賈クさんが帰った前日にした特別な事、それが多分ゲーム
陸遜さんを帰す為に試す価値はあるはずだけど、ソフトは雛子に貸してしまった
据え置き機で試すには、本人に見られるのがちょっと気まずい
それなら雛子に返してもらって試した方がマシだ
昨日の今日で悪いけど、一度無双を返してほしい
そうメールをして、私は仕事に戻った

「名前、おかえりー」

そして仕事から帰って、膝から崩れ落ちる羽目になる
雛子が、部屋の中にいたからだ
近付いてきた陸遜さんに、小声で話し掛ける

「陸遜さん」
「その、チャイムが鳴ったので、あの……すいません」
「いえ、陸遜さんは悪くないです……悪いのは雛子」
「酷い言い種ねー、頼まれたもの持ってきたのに」

ひらひらと無双のパッケージを振る雛子
慌てて受け取り鞄に突っ込む
そこまでして、別に慌てる事は無かったんじゃないかと思った

「で、これだけじゃないんでしょ?」
「さすが名前、お酒持ってきたのよ、3人で飲みましょ!」
「え、私もですか?」

自分も勘定に入れられた陸遜さんが驚いてる
知らない人にいきなり誘われたら仕方ない、けど

「雛子は言いだしたらきかないから、一緒に飲みましょう」
「はあ……」
「子供みたいに言うのやめてよね」

ぶーたれる雛子と陸遜さんを置いて、とりあえず私は部屋着に着替える事にした


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