仕事を終えて、雛子に無双を渡した私は家に帰ってきた
雛子に飲みに誘われたのは、多分元気が無かったからだろう
どうしたものかと思っていたはずだったのに、いつの間にか居てくれる事を嬉しく感じるほどになっていたらしい
3日くらいなのにと笑いながら家に入って鍵を閉める

そしてリビングに向かって足を踏み出して止まる
デジャヴというか、それこそ数日前と同じ状況
音を立てないように近付き、電気を付けて頭を抱える
仰向けで倒れている赤い服の青年、顔もそうだけど、何より服で分かる
彼は陸遜のはずだ
賈クさんの時のように壁に押しつけられるのも困ると思い、少し間を取る

「すいません、起きてください」

私の言葉に反応して指先が動いた
死んではいないようで、とりあえずは安心する
それから直ぐに体を起こして、周りを見渡して静止した彼はやっぱり陸遜だった

「此処は……?」
「私の家です、が説明する事は沢山あります」

呆然とする彼に近付くと、ゆっくりと私を見上げた
まだ頭が回っていないらしい、仕方ない事だけど

「私は名前です」
「え、あ、陸伯言、です」
「とりあえず座りましょうか」

手を差し出すと、少し迷った様だけど取ってくれた
そのままテーブル前に座らせて、飲み物とコップを持って戻る
彼の前に座り飲み物を用意して勧めてから自分の分を飲み干す
陸遜さんも私が飲むのを見て、少しだけれど飲んでくれた
彼がコップを置いたのを確認して口を開く

「とりあえず一気に説明しちゃいますね、質問は後でお願いします」

そうして、賈クさんにしたのと同じように説明をすると、やはり陸遜さんは信じられないという顔をした
年齢の差なのか、直ぐには信じてもらえないらしい
勿論嘘だと突き放す事も出来ないようだったけど
とりあえずは私が家で彼を保護するという事で、話はまとまった
正確にいうなら、強制的にまとめた、だけど


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