Mistletoeの下で…(並盛romance)
 ヤドリギを吊るそう 愛と生命の枝を
 幸せをよぶために ヤドリギを…
 クリスマスの夜に 夢を呼ぶ為に
 そして願いを叶える為に…



「あのう…、雲雀くん?」
「なんだい?」
「この…、わたしの頭上の蛍光灯からぶら下がってるヤドリギなんだけどね…」
「ワォ! キスをねだるなんて、君、随分と積極的だよね!」
「い、いやいや…、ねだってないし! ってか草壁くんに言って取って貰ってもいいかなぁ?」
「哲のアイディアだからね、それ」
「ええぇぇぇっ?! そ、そうなの?!」
「うん。欧米では、男性は『クリスマスの日にヤドリギの下にいる女性にキスをしてもよい』って慣習があるらしいね? 君、博識だから知ってるでしょ?」
「う…、し、知ってるよ。だ、だからね…」
「『カップルがヤドリギの下でキスをすると、永遠に結ばれる』って言い伝えを信じた哲がね、昨日あーだこーだ言いながら君の座席の真上にね…」
「ああっ! なんてことを草壁くんっ! ってか、ひ、雲雀くんとわたしって、ぜ、全然、カ、カップルなんかじゃ…」
「バカップルだよね、僕達って…。で、そうやって君にずっとヤドリギの下に居座られちゃ…、僕としてもね…」
「居座るって、ここわたしの席ですしって…、あぎゃあぁぁぁっ! ち、近いっ! 雲雀くんってば、きっ、綺麗なお顔が近いってばっ!」
「キスするんだから近づかないとどうしようもないでしょ! 本当に莫迦な子だね…」
「莫迦なのっ?! 莫迦はわたしなのっ?! うぎゃっ!」

〔“ちゅっ”という甘いリップ音と共に、委員長の唇が姐さんの唇を奪った模様です。本日、午前中から換算して15度目に相成ります…。委員長はご満悦のご様子でChristmasを初めて楽しんでおられます…。因みに俺は今必死になって、応接室の隣にある委員長専用の厨房で委員長と姐さんの為にクリスマスディナーの準備に勤しんでおります…。(by.委員長命の副委員長の声)〕

「うぎゃって…。君…、本当に色気皆無だよね? でもなんだかんだ言いながらトイレ以外に席を外そうとしない所を見ると、僕じゃなくても期待するし。まあ、基本的にこの僕がここから君を逃がすなんてことないけどさ…」
「…、うぅぅ…」
「まあ、二時間後には哲の手作りChristmas dinnerが出来るから楽しみにしてなよ。君がレシピを貸してあげたんでしょ?」
「え、ええ…、まあ…」
「哲、張り切ってたからね。君の味が再現できなかったら、もう僕の傍にいる必要ないって言ってあるし…」
「そ、それはまた恐ろしいプレッシャーを…。草壁くんも命がけじゃないですか! な、なんだったら、わたし様子を見に…」
「駄目だよ! 君はヤドリギの下にずっといるの」
「おわあぁぁぁっ! ち、近いっ! 雲雀くんってば! 何度言ったら解るの?! きっ、綺麗なお顔が近いってばっ! い、いやいやっ?! か、肩とかに手を置かなくても…」
「君って本当に学習能力ないよね? しょうがないでしょ、君のせいなんだから…」
「うっ! うぅぅっ〜」

〔“ちゅっ”という甘いリップ音と共に、委員長の唇が姐さんの唇を奪った模様…。因みに本日、午前中から換算して16度目に相成り…。ってか間隔がどんどん短くなっていっている様な…。まあ、Christmasだしな! 委員長がご満悦のご様子なので“よし”としよう…。それより俺の方が命がけだ! ああ〜 あと二時間しかない! 沢田に頼んで死ぬ気の炎を点して貰い、委員長と姐さんの為にラブラブクリスマスディナーを完成させねば!(by.委員長命の副委員長の声)〕


 委員長と委員長秘書の、ラブラブ?なChristmas模様の一幕でございます…。



〜fin〜



〔おまけ〕

 秘書から委員長へのプレゼントは手編みのマフラーと帽子。(ヒバードとお揃いです!)
 そして委員長から秘書へのプレゼントは雲雀家の家宝に数えられ、亡き母の形見でもあるだいやらもんどの婚約指輪?!
 ぎゃいぎゃい拒否する秘書の左手薬指にぴかぴかきらきら光る指輪を有無を言わさず填めると『君、母さんより指太いんだね。もう抜けないよ?』としれっと言う始末。
 因みに副委員長は委員長から演出と料理についてお褒めのコメントをプレゼントとして頂戴し、感涙した。
 また秘書からは手袋を貰って(但し既製品。手編みは委員長が嫉妬に駆られて煩いから…)喜んでいたら、意地悪な委員長に10本の指の部分を全部鋏で切られ『流行なんでしょ? 指あき手袋って』とほくそえまれた。
『手袋の意味が在るような無いような…』と、そっと心で呟き涙をのんだ草壁哲矢。
 そして、浮腫んだ指から懸命に値段などつけられない途方もなく価値あるものなのであろう指輪を外そうと懸命にもがきつつ、気の毒そうに虐げられし男を見つめる秘書に、副委員長は委員長命令で買いに行かされた彼女の大好物である“Neuhaus”のクリスマスシャンパントリュフBoxを、笑顔?でプレゼントしたのであった…。  



※草壁との仲を疑惑中で更新停滞ですが“並盛Romance”のカップルにて。
 クリスマスには多分、こんな感じになってますので…。
 高校三年生のカップルだから、ちょい初々しく???
 ヤドリギを吊るすのは草壁のアイディア。
 ノッたのは委員長。
 恥ずかしいけど、キスされたい複雑なヒロイン???
 名前変換の意味なし!
_25/37
[ +Bookmark ]
PREV LIST NEXT
[ NOVEL / TOP ]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -