自らも媚薬が効きだして普段以上の興奮を覚えつつある雲雀は、胸を高鳴らせながら今まで何度となく空想し続けた美凰の乳房の実物を、久方ぶりに思うさま揉みしだいていた。
美凰の命そのものの様な、柔らかく優しい温もりが掌に熱く伝わってくる。
大きな掌から零れんばかりに弾む重みが更に興奮を呼ぶ。
「あっ…、あん…」
雲雀の思うがままに形を変える美凰の女の象徴を玩び、柔らかな感触をしつこい程に掌全体で味わう。
乳房の隅々まで揉みしだく雲雀の長く骨ばった指が、程よい大きさの乳暈をかすめ、円を描く様に撫で回す。
「ああん…、はあっ…」
ぞくぞくする快感が、美凰を更に乱してゆく。
やがて雲雀の食指は敏感にぷっくりと屹立している乳首に触れ、桃色の蕾にも似た鮮やかな突起を弄び始めた。
「あっ! あぁぁっ…、あっ…、あっ…」
美凰の吐息が弾む。
蕾は今にもはじけ、咲き誇らんばかりに充溢していた。
「こんなに乳首を勃たせて…、吸って欲しいのかい? いやらしい女だね…」
「お…、おねがい…」
雲雀は尖りきった艶やかな膨らみを二本の指に挟んでこね回し、淫らな視線で美凰の花顔を覗き込み、反応を窺う。
「どうして欲しいのか…、言葉で言いなよ」
「あッ…、く、くふっ…」
甘く喘ぐ美凰の反応をもっと引き出そうと食指と高指を使って乳首をこね回し、摘み捻り、爪弾いた。
限界を超える激しい欲望…。
快楽は美凰の羞恥を完全に凌駕した。
「あぁぁぁ…、あっ! す、吸って…」
執拗な雲雀の指先が乳首に齎すあらゆる刺激に、美凰は苦悶とも快楽ともつかない表情を浮かべ、甘美に喘ぎつつ叫んだ。
「おねがいっ! 吸ってくださいまし! 吸って…」
自我を奪われて解放させられた美凰の淫らな懇願に一層の欲望を昂ぶらせる雲雀は、くつくつ笑いながら艶かしく染まった乳首に唇を近づけた。
「もう一度聞くよ。誰に吸って欲しいの? 僕? それともディーノ叔父?」
「…、あなたが欲しいの…。恭弥さまが…、あっ! ああっ、おねがいっ!」
「ディーノじゃないんだね? でも…、数え切れないくらいあいつの唇に吸われたんでしょ? そんな風に…、ねだったんだ?」
嫉妬に満ちた雲雀の声音に、美しい花顔が激しく左右に振られた。
「違うっ! 違うわっ! おねがいっ! はやくっ! はやく吸ってぇ…」
淫猥な含み笑いと共に雲雀の熱い唇が美凰の乳首を覆い、強く吸いつく。
「ひぃあぁぁぁっ!」
美凰は快楽の悲鳴をあげて仰け反った…。
熟した果実を頬張る様な甘い感覚が雲雀の口腔いっぱいに広がり、男の欲望が更に燃え上がる。
興奮に満ちた雲雀の熱い口腔は、しつこい程に美凰の美乳を貪り続けていた。
豊満な膨らみを包み込む様に揉みしだきながら、白い乳房の至る所に何度もくちづけを繰り返して紅い痣を散らし、美しい薔薇色の乳首は擦りつける様に舐め廻され、甘咬みの上、舌先で転がし続ける…。
「あっ! あっ、あんっ…」
ちゅっ、くちゅっ、と音を立てて乳首を吸い続ける様は、まるで母親の乳を求める赤ん坊に似ていた。
その行為は、雲雀の執着の証…。
心のどこかで今なお求め続けている初々しかった嘗ての美凰への、憎しみと執着…、そして愛の…。
「ひっ! ひぁっ! あっ…、あぁぁぁっ!」
果てしがないと思われた乳房への責めは、美凰の甘い悲鳴で終止符が打たれた。
媚薬は絶大な効果を発揮し、美凰は執拗に胸を弄ばれただけで激しく達してしまったのである。
「なんて淫乱なの、君って女は! 薬に煽られているとはいえ、ちょっと乳首を可愛がってやっただけで瞬く間にイってしまうなんてね…」
「ん…、んぅ…」
雲雀は蔑む様に嘲笑しながら、柔らかな全身を小刻みに顫わせている美凰の漆黒の茂みから内腿に手を滑らせた。
男の指先に熱い蜜が夥しくまつわりつき、雲雀の欲望を昂ぶらせる。
「こんなに濡らして…、まるで洪水じゃないの…」
淫らに蠢く指先が二枚の花弁を広げて、ひくひくと蠢いている花壺の入口に刺激を与えると、美凰は白い股を少しずつ開脚し、腰をくねらせて雲雀の指遣いを嬉々として受け入れた。
「はっ、あっ…、はあぁぁぁん…」
身を捩り、涙ぐんで美凰が身体を跳ね上げた瞬間、雲雀のニ指が花園の中に突きたてられた。
「あっ、あぁぁぁーんっ!」
雲雀はとめどなく溢れる淫蜜を褥に撒き散らす様に荒々しく指を蠢かせ、鋭い収縮を繰り返し続ける美凰の柔襞を攪拌して嬲り続ける。
「…、あ、あうっ…、あっ、あああっ…、!」
激しく締めつけられ、奥へ奥へと咥え込まれるニ指から伝わる淫らな感触が恐ろしく心地良い。
「君は犯されているんだよ? それなのに…、感じまくっているんだね?」
「ふっ…、はっ、んぁぁぁ…」
「旦那が死んで、まだ四十九日すら迎えてないというのに…。もう空閨に耐えられないんだ? ディーノ叔父も気の毒な人だよねぇ。可愛がっていた女にこうもあっさり裏切られるなんてさ」
「ひぁぁぁっ! んふぅっ…、はっ、あっ、あぁぁんっ!」
淫らな言葉で陵辱をうけても、美凰にはもうそれを否定する意識すら残っていない。
雲雀を欲しいと思う欲望しか、残されてはいないのだ。
そして雲雀はといえば、淫靡なまでに魅惑的な美凰を痛い程にそそり立つ己のもので滅茶苦茶に貫き、声が出なくなるまで犯しぬいて自分の精に塗れさせてしまいたいという、貪欲なまでの情欲に突き動かされていた…。
女の花園を蹂躙していた指が、熱い雫を滴らせながら引き抜かれる。
「いやっ…、いやぁ…、ぬ、ぬかないでぇ…」
美凰はいやいやと頸を振り、雲雀の指を求めて腰をゆらめかせた。
「…、そんなに僕の指が欲しいのかい?」
「ほしい…、ほしくて、たまらないの…。おねがいっ…」
くぐもった服従の涙声が雲雀の耳に心地良く響く。
「ふぅん…。じゃ、もっとよくしてあげるよう…。もう少し僕を楽しませてくれたら、指よりももっといいものを挿れてあげる。淫乱な君が満足するまで可愛がってあげるよ…」
「…、うぅっ…、あっ、あぁんっ…」
白い太腿が膝を立てた状態で雲雀の意のままに大きく広げられ、眼前に薔薇の花にも似た女の秘苑がすっかり露わになった。
雲雀は美凰の花園を至近距離で凝視する。
そうされていても、美凰はもはや羞恥を感じない。
興奮に高ぶった雲雀の淫らな笑い声がひくく室内に響き渡った…。
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