パンツ被った


「パンツかぶっただろ!」

佐々山が任務を終え、狡噛の部屋を訪れた開口一番。
狡噛はいつもにも増して怜悧な眼差しをきつく歪め、睨みあげた。

「えー…と?パンツ…?」
「そうだ。嘘をついてもダメだぞ。ネタはあがってるんだ」
「なんだ、そんなことかよ。パンツ一つでがたがた言うなよ」

大きく息を吐く佐々山に、狡噛は目を剥く。

「な、お前…!」
「第一、かぶっただけだろ?盗んでもねーし、何か問題でもあるか?」
「おおありだろ!」
「へー、何が?」

顔を寄せてくる佐々山を避けながら、狡噛は考え込む。

「何って…」
「でも、そうだな。せっかくだからそれ以上の事もしよーぜ?」
「ちょ、」

一度火がついた佐々山は手に負えない。
やばい、と狡噛が腰を引いたときには時すでに遅し、だった。
すっかりのし掛かられ、余裕のある眼差しが降ってくる。

「隙だらけだぜ、監視官様」
「佐々山、覚えてろよ…!」
「いい加減黙れよ。色気ねーぞ」

誰がだ、という文句はそのまま口に飲み込まれる。
そうして佐々山が思う存分狡噛の体を弄び、使用済みのパンツがなくなってることに気づいたのは、だいぶ経ってからの事だったとか。


2013.2.6




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