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山本がキャバッローネ邸を出ると、門扉に待ち構える青年と小動物に気付き、足を止めた。

「ヒバリ…」
「用は終わったの」

口を尖らせる雲雀の足元には、秋田犬の次郎。肩にはロールと小次郎。頭にはヒバード。皆が心配そうに山本を出迎える。

「ヒバリ、俺…」
「僕より先にこの子達でしょ」

小さな身体で一生懸命山本のために飾り付けや料理の手伝いをしたのだ。それなのに、山本は全然気付かなかった。

「そうだな」

山本は屈みこむと、「次郎、ごめん」「小次郎、悪かった」「ヒバードごめんな」「ロールも、悪い」と謝っていく。
合いの手を打つ様にワン、とかキュっとか返事が返ってくると、最後に雲雀の足元にひざまついて。

「ヒバリ、俺が全面的に悪かった」
「知らないよ」
「ごめん、ごめん、ごめん、ごめ…」
「うるさいよ」

途中で雲雀が手のひらで山本の口を遮ると、山本はそれを優しく手に取る。
甘えるように首を傾げて。

「じゃあ、許してくれる?」
「…家の片付け」

頬をほんのり赤くさせながら視線を逸らす雲雀に、山本はああ、と嬉しそうに笑った。

「一緒にしよう。そんで、寿司もケーキも一緒に作ろう」
「君の誕生日だよ?」
「みんなでした方が楽しいだろ?な?」

同意を求められたアニマル達も嬉しそうに鳴いた。

「わふ!」
「キュウ♪」
「ピー!」
「タノシイ、タノシイ!」
「今回だけだよ。この子達に免じて許してあげる」
「ああ。もう二度としない」

口元を緩ませ、山本はアニマル達に視線をやると「あっち向いてろ」と合図をする。
首を傾げながらも空気を呼んだ次郎とヒバードが小次郎とロールの目隠しをしてやると、山本はそっと雲雀の両頬に手を添えた。

「サンキュ、ヒバリ」
「…おめでとう」
「ああ」

アニマル達の目を盗んで、甘い抱擁を楽しむのも束の間。次郎とロールがバタバタ暴れだして山本と雲雀は顔を見合わせて笑った。


Happy Birthday!
2013.04.24




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