8:ふわふわ、めろめろ


「フワフワ…」

ヒバードの目の前には、大きな物体がひとつ。
雲雀がおいてやったそれに、黄色い小鳥は釘付けだ。
少し形は悪いが、まあるくて、白くて、そして…

「フワフワ!」
「きゅっ?」

いきなりそれにかぶりついたヒバードに、隣にいたロールがびく、っと体を震わす。そして雲雀にクピクピ、と抱っこをせがんだ。

「大丈夫だよ、ただのわた飴だから。君にはこれ」
「きゅ!」

目の前に置かれたのは、大好物のちくわ。
ロールは喜んでかぶりついた。
その隣では、ヒバードがわた飴にかぶりついている。きっと二匹とも体中がべたべたになるから後で洗ってやらなければ。

きっとこの小鳥は今日が何の日か――なんて覚えていないだろうけど。
雲雀は覚えていた。忘れることの出来ない、大事な日。
あの時、初めて出会った運命の。

「これからも、よろしく」

そんな雲雀の呟きを分かっているのかいないのか、小鳥は元気よく返事をした。

「ピィ♪」


2012.09.18



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