優しいおふとん(animal)


最近の小動物達のお気に入りは、雲雀が用意してくれた寝床でもディーノのふわふわの頭の上でもなく、真っ白い、大きな大きなたてがみを持つ白馬の背中。

「キモチイイ、キモチイイ!」

「キュウウウウ!」

ヒバードが背中を占領すれば、ロールが必死でよじ登り、エンツィオものろのろと近づいてくる。
暖かな陽射しが舞い込むキャバッローネ邸の大きな庭の一角で、美しい毛並みを持つスクーデリアが大きな身体を折り曲げ昼寝を始めるといつも見られる光景。

「オヤスミ、オヤスミー」

「キュッ」

ヒバードは既に気持ちの良い長い毛に包まり眠り始めた。それを見て、ロールやエンツィオが慌てて登るが、何度も途中で転げ落ちてしまう。
そんな姿に見かねたのか、スクーデリアは少し身体を起こすと、ロールやエンツィオを口で掴みヒバードの隣まで運んでくれた。

「ヒヒーン、」

「キュキュっ」

「クアっ」

二匹が嬉しそうに泣けば、スクーデリアは安心したようにその慈しむような眼差しを細め、再び眠りに入った。

エンツィオとロールは顔を見合わせにっこり微笑むと、気持ち良さそうにスクーデリアの暖かさと優しさに包まれていた。

優しいね。あったかいね。
自分達にはもういないけれど、まるでお母さんみたいだね。

そんなやりとりが密かに交わされている優しい空間で、小動物たちは幸せなひと時を今日も過ごしていた。


2012.03.15→2012.04.20


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