弱いところ(2215/最中/エロチカ)


行為が終わった後、気だるさを感じないはずはないのに雲雀は良く俺の身体をまさぐる。

それこそ顔とか腕とか耳とか脚とか…
今日も汗ばんだうなじをはむ、と噛まれた。そのくすぐったさに思わず笑いを漏らすと、雲雀が嬉しそうに笑った。

「は?」

「見つけた。弱いとこ」

楽しそうに何度も啄ばむようなキスをして、さすがに俺も耐えられずに強い力で押し返す。

「きょっ、…や!」

「…!」

力が強すぎたのか、不意打ちだったからか、雲雀の体が勢い良くころん――、と布団の上に転がってしまった。

慌てて「ごめん」と言いながら起こしてやると、

「あなたでも弱いとこ、あるんだね」

いつもは自分が弱いとこばかり触られるからか、俺の感じるところを知って本当に嬉しそうだ。雲雀に対して甘い自覚はあるから、いつもなら頷いて終わるところだが少し意地悪をしてみたくなった。

「お前はどこも弱いけどな。――ここ、とか」

「…っ!」

わき腹をくすぐると、雲雀が肩を竦めて軽く抵抗した。

「相変わらず敏感だよな」

「あなたがおかしいんだよ!」

ディーノは基本的にどこを触られても平気だった。

それはマフィアのボスとして万が一の時、拷問に耐えれるようにとある程度訓練されている。
だから痛覚や毒の耐性も一般人とは比べ物にならない。
与えられる感覚が鈍いというわけではなく、コントロールできるのだ。

だが、今の雲雀にはもちろん言う気はなかった。中学生に聞かせてよい話でもないし、彼といる時はファミリーの事を考えずにただ愛し合いたかった。

雲雀から与えられる愛情と、肌を重ねる愛しさ、共有する時間の大切さ――全て、予想がつかないものばかり。
7つも離れた子供に翻弄されるばかりだった。

「…なによそ見してるの」

雲雀は形勢逆転させないようにと、直ぐにまた隙あらば、とうなじに噛み付いてくる。

「あ、こらやめろってば」

「なんで?感じる?」

「…我慢できなくなるだろ」

さすがに、これ以上はヤバイ。
珍しく俺が余裕のない顔を露にしたのを感じ取ったのか、雲雀は悪戯っぽい笑みを浮かべた。

「それは良いこと聞いたね。ここであなたを咬み殺すのも悪くない」

雲雀は馬乗りになって、ディーノの胸元にも唇を落とす。

「こら、遊ぶな。どーなってもしらねーぞ」

「やだ」

「ったく…このじゃじゃ馬め」

腕の中で大人しくしてられないのが、雲雀恭弥だ。
ベッドの上で相手をするのも、まさに命がけ。

「手合わせなら、受けて立つよ」

さらりと言い放つ雲雀に、ああ――やっぱり、こいつにはいつまで経っても適わないな、と思いながら無防備な腕を引っ張り、愛しく抱き寄せた。


2011.11.20


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