おともだち?(雲雀/animal)


新しいお友達がデキタ。
おともだち?
違う…

ライバル。

なんでも体が針に包まれていて、凶暴。

しかもヒバリといつも一緒。

「クピィ」

「ハリハリ、ハリハリ?」

「キュー…」

ヒバリの匣兵器なのに、いつもびくびくしていて弱そう。
こんなので、ちゃんと戦えるのカナー

「ロール、ご飯だよ」

「キュー!!」

ヒバリが長いご飯を持ってくると、途端に喜びだした。
あれ、知ってる。
ちくわっていうんでしょ。

「ヒバリ、ヒバリ」

「ん?だめだよ、君のは後で」

ガーン…

ハリハリが来てから、ヒバリは変わった。
いつでもハリハリ優先で僕のごはんは後回し。

しかも、あの子は名前で呼ぶのに僕はまだ「君」だし…。

「ピィ…」

「キュキュー♪」

ハリハリは美味しそうに食べていて、あれはくさかべがいつも買ってくるものだ。
くさかべっていうのは、ヒバリのともだち。
いつも一緒にいる。

しばらくしてやっとヒバリが、来てくれた。

「ほら、君の好きなごはんだよ」

そうやってヒバリは黄色いすっぱいごはんを出してくれた。
どうやら、『みかん』っていうやつだ。

もぐもぐ。オイシイ。

僕と同じ色。甘かったりすっぱかったりするけど、一個ずつヒバリが目の前に置いてくれるから余計に美味しい。

「ピィ」

「美味しい?」

「オイシイ、オイシイ!」

すると、ヒバリが笑ってくれた。僕とハリハリの前でしか見せない、かお。
この顔が大好き。

そして本を読みながらご飯が終わるのを待ってくれる。

――けど、いつの日かな。

ヒバリが僕の名前、呼んでくれるの。

それが一日でも早いと良いナ。

「ヒバリ、ヒバリ」

「なに?食べ終わったの?」

名前を呼べば、返事してくれる。

いつものようにご飯が終わったハリハリの口元を僕がぺろぺろ舐めて、ヒバリが僕の顔を綺麗に拭ってくれる。

ハリハリが眠くなって隣でお昼寝を始めた頃、僕は校歌を囀る。

そんな1日の午後。
ヒバリが忙しくなったのは寂しいけど、これからもずっと続くと良いなぁ、と思った。


2012.1.27→2012.3.3


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