周りは死体の山と血の海だった。返り血のせいであたしも赤い。団長も赤かった。
「あーあ、お終いか、つまんないの…ね?なまえ」
「そうですね」
確かに手応えはなかった。でもつまんないとは思わない。弱い相手でも命を奪っているのだから。
「なまえは残酷だね」
「団長には負けますよ」
「殺しは好き?」
「好きではありませんが、止められません」
「そうだろうね」
なまえすごく楽しそうだよと団長は笑って言った。
そう、命を奪うのはつまらなくない。楽しい。
「なまえは狂ってるね」
「団長こそ」
「俺は普通だよ」
どこも普通じゃない。こんなに狂喜的で破壊的な人は見たことない。だからあたしは惹かれるわけで、
「あたしは団長の普通じゃないところが好きです」
と言ったらケタケタ笑う団長。
「じゃあ俺と一発ヤってくれるの?」
「まさか」
「好きなのに?」
「そう、好きですよ。だから団長…
今から一発、殺り合いませんか?」
そう言ったら団長は、あたしの大好きな笑顔を向けてくれた。
この笑顔がたまらなく好き。
あたしはずっとずっといつまでも、あなたと殺り合っていたいんだわ。
20090209白椿
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