「俺と一発ヤってよ」

「嫌です」


あたしは落胆した。
強さを求め、強さを愛し、自らも強い神威団長。
強さ以外に興味を持たず、強さに向かってまっしぐらな団長が好きだったのに…。
神威団長は不思議そうに訊く。


「どうしてさ?」

「下らないからです」


まさか神威団長からこんな言葉が飛び出すなんて…
あたしは溜め息を吐きながら言う。


「神威団長、愛なんて下らないものです」

「ん?」

「所詮錯覚なんですよ恋愛は」

「何の話?」

「いいですか?愛だの恋だのいうのは、結局は汚れた性欲によるものなんです!そんなことのために恥晒すなんて馬鹿げてるでしょう?」


神威団長は首を傾げてニコニコしながら言った。


「なまえは自惚れやさんだなぁ」

「ん?」

「誰もあんたを愛してるなんて言ってないよ」

「…」

「一発ヤってってお願いしてるんだ」


もっとたち悪いよ!!
この人、女なら誰でもいい感じなんだ。
あたしは少しイラッとして言う。


「じゃあ他あたって下さい!!あたしは嫌です!!」

「えーーなまえじゃなきゃ嫌だー」

「うっさい!!他で性欲満たしてきやがれです!!!」


団長はニコニコしながら迫ってきた。


「嫌だよ、だってなまえじゃなきゃ強い子ども生まれないよ」

「は?」

「なまえは強いだろ?俺との間になら強い子ども生まれると思わない?」

「…」


なるほど。そういう理論か…。
団長は夜兎、あたしも夜兎ほどではないが戦闘種族出身だ。


「ね?汚れた性欲なんかじゃないだろ?計算された性欲だ」

「…」

「一発ヤらせてよ」

「まぁ、そういうことなら…」










強さを求める二人
ちょっと変わったカップル










20090213白椿



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