恋愛関係をうんぬん語るつもりはないけれど、俺ってあまりそういうことに悩んだんことなかったんだなぁと漸く気づいた。経験してきた男と女の関係というものを思い返してみても、大方女の方から誘ってきたわけで、まぁ気分がのれば一発ヤってたし気分がのらなければ殺していた。俺の方から誘うときもあったけど、それだって結局は向こうから何かしらのアピールがある女ばかりだったから、要するに多からず少なからず男との遊び方に慣れてる女しか誘ったことがないのだろう。
「あ、あの!!神威団長、始末書終わりました…っ」
「ん、お疲れ様」
そう言うと、最近俺の部下になった彼女名前は瞬きを何回かして急いで顔を逸らす。その顔が真っ赤になっているのを見るあたり名前は俺のこと好きなんじゃないのかなぁと思うのだけど、
「じゃ、じゃあ失礼しますっ」
なんだか誘ってオーラが出ているわけではないのだ。いつも俺に業務連絡するのだって緊張しているようだし、目が合うとすぐに逸らすし、恋愛経験浅いのかなぁと思う。俺もそんな彼女に無理矢理一発って気にはならなくて、ただ始終ドキドキしている様子の彼女を見てると可愛いなぁと、まるでペットを見ている気分なのだ。ただ困ったことに、こういう初々しい感じのには耐性がない。どういう行動に出ればいいのか分からないのだ。だけど、もう少し親しくなりたいなぁとは思っている自分。不思議な感覚だった。一発ヤりたいっていう感情以外を女に抱くなんてね。と、いうわけで俺は彼女と仲良くなる方法を考えてみる。
「うーん…」
今日も、いつものように始末書に励む彼女を見つめる。俺が見ていることに気づいているような彼女は、すでに顔が真っ赤で、時折こちらの様子を恐る恐るといった感じで見てくる。しかし俺と目が合うとすぐに逸らした。
「うーん…」
ホント、どうスキンシップすればいいのかなぁ。頭を悩ませながら彼女に一歩一歩近づいていく。彼女はそれを確認して、ドキドキを隠しきれていない表情をしながら小さく言う。
「な、わ、わわわたしに何か用、でしょうか…?」
「うーん…」
「…」
「こっちにおいで」
両手を広げて言ってみる
そしたら、名前は逆に勢いよく席を立って俺とは反対側に走って行ってしまった。去って行く彼女の耳が今だかつてないくらいに真っ赤に染まっていた。
あり?失敗…??
Thanks.みずぅさま
20100207白椿
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