「せっかくルナさまから朔夜ちゃんを使う許可貰ったんだから、もう少し勉強しようね雛」





Thank.300000
ルルル、ヒロインを極める
Moon Child2





ダメだダメだ。今回はあたし自身を磨くために余所様のヒロインさんたちを貸して頂いているのだから、もっと勉強していかなきゃ!ただ可愛いだの純粋だの言っていては何にもならない。よし…!!


「じゃあ始めるよ」


何故かまた神威団長が付き合ってくれるらしい。


「まず、この朔夜ちゃんの特徴は、夜兎であること、強いこと、幼馴染であること、夜兎なのに戦闘を好いてないこと、そしてこの類稀なる純粋さにあるね、無垢ともいう」

「た、確かに」

「細かく言えば長所として他にもいろいろ挙げられるけれど、とりあえず大まかに言えばこれくらい」


神威団長すげー。めっさ朔夜ちゃんのこと分析してる。てか、半分変態くさいな…言わないけど…。


「だけど、夜兎であること、戦闘にたけていること、幼馴染であること、この三つは設定の問題だから雛にはどうしようもないね」

うんうん

「だから、朔夜ちゃんから学ぶことはこの純粋さ、だね」

「ほお」

「いいかい?朔夜ちゃんは生粋の純粋ッ子なわけだよ。世の中の男と女の汚れたこと一切知らない。」

「あは、可愛いですねー」

「そうだね。まぁ純粋さなら雛だって劣っていないけれど、用は知識の問題なわけ。本当に純粋ッ子目指すなら朔夜ちゃんくらい無知にならなきゃ」

「…ん?」

「つまりね、今から雛は子供の作り方全く知らないって設定にすれば問題は解決だよ」


神威団長はすっごい笑顔を振りむけた。


「…何か間違ってる気がするんですけど…だってそれだって結局は設定の問題じゃないですか、知ってるもんを忘れるなんて出来ませんよ」

「そんなもん演じればいいって」

「…神威団長…なんか変なこと企んでません…?」

「あは、企んでない企んでない」


と、言いつつ神威団長はこちらに近寄ってくるとぐいっと力を込めてあたしの体を押し倒した。背中に冷りと固い床の感触。


「ちょ、ちょちょっと何してんですか!?」

「ナニ?」

「無駄にカタカナ止めて下さい離して下さい!!」

「だからダメだって雛。雛は何にも知らない設定なんだから」

「はぁ!?」

「だからこの状況での正しい発言は、『なに?稽古?あたしじゃ相手になれないよ』だヨ」


それが狙いかちくしょー!!ど、どどどっどどうしましょこの状況…!!!!しかしながら、純粋っていうのは時にとても危険な状況を生むということだけは学んだ。今度朔夜ちゃんにそれくらいは教えに行ってあげようかと考えながらあたしは抵抗を続ける。


「…っ!!!!」

「あはは」





彼はいつだって手加減中


Moon Childの団長も、ルルルの団長も、自分のお姫さまが誰かちゃんと分かっているから、実は危険なことなんて何もしないのですよ。





20100205白椿

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