よし!!それじゃあ本番だ!!
いろんなヒロインさんを勉強して、自分を磨くぞ!!!
Thnks.300000
ルルル、ヒロインを極める
Moon Child
管理人白椿から送られてきた資料を見る。
サイト「月白」の管理人ルナさまの娘さま、デフォルト名朔夜さん。
連載「Moon Child」のヒロインさま。
「ふむふむ、おー」
「誰を勉強しているの?」
「この方です、朔夜さん」
「おお、雛の一つ年下か」
「本当だ16歳…あ!!見て下さい団長!!」
「…ん?」
「朔夜さん、神威団長の幼馴染みみたいですよ!!小さい頃一緒によく遊んでたみたいですよ!」
「…俺に幼馴染はいないよ?」
「え…まぁそりゃこれは別の神威団長のヒロインさんですから」
言ったら神威団長は少し思案して、なるほどとか呟きながらあたしを見て言う。
「幼馴染みとかいーねー」
「…」
「しかも夜兎か、そこそこ戦えるみたいだし、俺もそんな幼馴染み欲しいな、奪ってこようかな…」
神威団長は、よし奪ってこようなんて言ってうんうん頷いていた。
なんとも複雑である。
確かに…この朔夜さん、完璧なる団長のヒロインさんだ。夜兎って時点で神威団長の渇きを少なからず癒せる存在であるだろうし、幼馴染みなら団長の過去だって知っているだろうし、それに、女のあたしから見ても…可愛い…容姿が。なんか抱きしめたくなる…。
わたしは、なんだか少し悲しい気持ちになりながら、ルナさまが書かれた「Moon Child」に目を通し始めた。
―――――**
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
突然雛が叫び出して若干ビクっとなった。
「どしたの雛?ビックリしたよ」
「団長団長大変!!!!」
「なに?」
「朔夜ちゃんはねぇ!!とっても純粋で綺麗な子なんです!!!」
「うん、うん?」
「守ってあげなきゃ!!いつか絶対神威団長に一発ヤられちゃう!!!だってめっさ可愛いもの!!!」
「は??」
雛はよく分からないけどすごく焦っているようだ。
「とりあえず落ち着こうね」
そう言って頭をポンポンしたら、
「よし!!奪いに行きますよ!!」
ものすごく決意の固い光を宿した瞳が俺を貫く。
「奪う?何を?」
「朔夜ちゃんに決まってるじゃないですか!!さっき神威団長も言ってたでしょ!!」
「え…?」
「絶対神威団長あの時ムラムラしてたって!!危ないよだって朔夜ちゃんはそういうこと一切知らないんですよ!!なのにあんな危ない第七師団で、しかも神威団長くらいしか信用できる状態じゃなくて!!どうしよう!!危険すぎる!!!」
「む、ムラムラ?いつの話?」
「砂漠から帰った辺りです!!」
「砂漠―?」
「とりあえず行きましょう!!あんな純粋な子神威団長にはもったいない!!」
「…何気に酷いこと言ってない?」
「だってね団長…!!!」
そこから雛は我を忘れたかのように朔夜という子のことを語った。たまに出てくる神威団長という単語はどうやら俺のことではないらしく、ルナさま宅の団長らしい。そして結果、雛は朔夜というヒロインをこっちに連れてくるという選択肢を得たようだった。
「なるほどね、でもそれは無理だよ」
「なんでですかー!!」
「今回白椿はヒロインちゃんを借りる許可は得てるけど、俺たちを各夢世界へお邪魔させてもらう許可は得てないんだ」
「…で、でもさっき団長も朔夜ちゃん欲しいって言って…」
「ちょっとその言い方語弊があるよ。幼馴染みは確かに欲しかったなぁって思うけど、…アレはねちょっとした意地悪だネ」
「い、いじわる…?」
「うん、雛どんな反応するかなぁと思ってさ」
「…は、…はぁ!?」
「あはは、けっこう悲しそうな顔してくれてたから俺は満足です」
「し、死ねーーー!!」
真っ赤になって走って逃げてく雛を捕まえるために、俺は笑いながら追いかけた。
だってやっぱ自分のヒロインが一番
きっと向こうの俺は朔夜って子にゾッコンなんだよ
20100205白椿
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