とりあえず、近場から手を出してみることにする。





Thanks. 300000
ルルル、ヒロインを極める
歌声を探して





余所さまの娘さんを勝手にお借りすることに、やはり多少恐さを感じたため、とりあえず同じサイト内で模索することにした。


「歌声を探して…か」


ヒロインのデフォルト名は夢玻さん。
銀さんたちの所にトリップした17歳の女の子。


…ふむふむ


管理人から送られてきた彼女のプロフィールに目を通す。


「ん?…」


とある一文を目で追ったあたしは、思わず眉をひそめた。


「…白椿め…なかなかエグいことしてるな…」

「あ、雛いたいた」

「あ、神威団長」

「なんか面倒事に巻き込まれてるらしいね」

「いやいや、わたしがヒロインとしてまだまだ未熟なのは承知してますので。…それより見て下さいよコレ」

「なに?」

「白椿から送られてきた他のヒロインさんの資料です」

「え…白椿…?呼び捨て?」

「これは同じサイト内のヒロインさんなんですけど」

「ちょっと雛、なんで呼び捨て?俺のことはいつまで経っても団長って言うくせに何であんなクソ管理人呼び捨て?」

「…はい?」


いやむしろクソな管理人だからこそ呼び捨てていると言いますか…


「俺のことも神威って呼びなよ」

「い、今はそれどころじゃないですよ!!見て下さいこのプロフィール!!」

「ん?」


神威団長に資料を押し付ける。そして問題の一文を指差した。


"声を失っている"


「うわー」

「ね?酷いでしょ?」

「うん、コレはないよね。いくら何でもここまではないわ」

「ですよね!!ホント前々から思ってたけど、救いようがないですね」

「…雛さ、」

「…?」

「白椿相手だと口悪いネ」

「…そ、そんなことないですよ」

「はは、まぁいいや俺もアイツ大っ嫌いだし」

「何でですか?」

「アイツね、俺いぢめるの好きみたいなんだよ」

「は?」

「どうしても俺を弱くしたいんだって、弱ってる俺を書くのがストレス発散になるんだって殺しちゃおうかな」

「…こんなこと言ってると、連載の状況が悪化しそうですね…」

「…だね」




すべては白椿の手の中

二人とも、分かればいいのよ





20100204白椿


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