「ねぇ、ゲームしようよ」
「何のですか?」
「愛してるよゲーム」
「愛してるよゲーム?」
それは、お互いに愛してるよって言って、相手を照れさせた方が勝ちっていうゲームなんだって。
神威団長にしては平和かつ可愛いゲームをチョイスしたなと思う。
「いいですよ」
「じゃあ始め」
「あたしからいきますよー」
かるーい気持ちで、気楽に、
「団長、愛してますよ」
って言ったら、
「心がこもってないよ」
そう言われた。
そっか…心がこもってないか…でも、
「あたしにはこめれる心がありません」
ドコッ
って素直に言ったら頭を殴られた。
「ゲームなんだから、そこは嘘でも上手くやってよ」
団長はすごくニコニコしているけれど、それは思いっきり偽の笑顔だと分かる。だって背後にどす黒いオーラが見えるもの。
怖い…
すごくそのオーラが怖いものだから、あたしは自分の持っている少ない演技力を駆使してもう一度言う。
「団長、愛してます!!」
そしたら団長の笑顔が輝いて、
「うん俺も」
そう言ってくれた。良かった、今度はお気に召したらしいと一安心。団長はとてもニコニコして、
「そっかー俺たち両思いだったんだねー」
と嬉しそう。
さぁ、次は団長の番だ。照れないように気をつけなければ、まぁ照れるなんてないと思うけどね。
「じゃあ」
あたしはとりあえず身構える。絶対に照れるものか。
「これでもう遠慮しなくていいね」
だけど団長の口から出たのは「愛してるよ」ではなく、
「?遠慮しなくていいって、何をですか?」
「やっちゃおっか」
「は?」
「俺の部屋でいい?」
「え?…団長、ゲームは…」
「行こっか」
「ちょ、ええええええ!?」
愛してるよゲーム
愛を囁け!!
20090313白椿
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