「おーにごっこすーる人こーの指とーまーれっ!」


ニコニコと笑いながら、神威団長は人差し指をこちらに差し出した。

ここであたしは考える。

え?ここにいるのあたしだけじゃね?とまれるのあたしだけじゃね?何これ鬼ごっこ?ムリムリムリ勝てっこないじゃん絶対に、しかも何か嫌な予感するよ…。

だからその指を無視して、その場を去ろうとしたら、


「とまれよ」


といつもより低いトーンで言われたので、怖くなって急いで指を握った。


「じゃあ俺が鬼ね」


ニコニコと言う団長。10秒待ってあげるから逃げなよ、と言って数え出す。


いーち


にーい


ヤバい!!死のカウントダウンが始まったよ!!
あたしは全速力でその場を走り去る。


さーん


しーい


どうしようどうしよう!!


ごーお


ろーく


刻々と刻まれる死のカウントダウンを聞きながら、あたしは必死に生還する方法を考えた。

そ、そうだ!阿伏兎さんの所に行こう!!


しーち


はーち


早く阿伏兎さん見つけないと殺されっぞあたしぃぃい!!


きゅーう


すっげー怖い!!
ちくしょー団長のぶぁああか!!!


じゅうっ!!


「みーっけ」


「うぉああ!!だ、だだ団長!!!」


じゅうっ!!って聞こえてから1秒もたってないのに、すぐ後ろに団長がいた。



あたしは血の気が引く。


「あ、言い忘れてたけど…」


団長は笑顔であたしの後ろをついて来る。

もうダメだ…。


「もしつかまったら俺の言うこと一つ聞いてね?」

「へ?」


その0,5秒後、あたしは抱き込まれるようにつかまった。

でも良かった…。殺されるわけじゃないみたい。


「はい、つかまったから言うこと聞いてね?」

「…なんですか?」

「一発ヤろっか」


ぎぃややあああ!!こんのエロ団長がぁああ死ね!!!

と、心の中で叫んだ。






おにごっこ
つかまった君、つかまえた俺









20090313白椿

[*前] | [次#]