「じゃあまた明日ね」
「本当に来るのかよ……」
「もちろん。ね、虎太?」
「うん」

日が落ちてきたので、三人で家路に着いた。私が降矢家の前で凰壮に念を押すと、怪訝そうに眉を顰めた。

「虎太、先家入ってろよ」
「(ん?)」

凰壮が虎太に声をかけた。虎太は首を傾げて「なんで?」と理由を尋ねると凰壮は「ちょっとこいつに話あるから」と言って私を指差した。私も思わず、確認するように自分を指差す。わたし?

「……わかった。じゃあな、夢子」
「うん……また明日」

豪勢な門の中に消えていく虎太に笑顔で手を振ったけれど、内心少しだけビクついていた。話があるってなんだ。初耳だ。突然切り出される分には、そこまで気にしないけれど、こう改められると身構えてしまうし、悪い話ではないかと勘繰ってしまう。思わず、引いてきた自転車のハンドルを握る手に力が入る。
でも、昨日まで普通だったし(というか仲良しだったはず)、今日だって素っ気なかったけど、特別何か失態したわけでもないと思う。ではなんだろう。

「(はっ!もしかして)」

もしかして、凰壮の悩みと関係あるんじゃないか。私は一人そう閃く。
私に、なにか相談したいのかもしれない。そうだったら、いいな。
私はすぐさま凰壮に視線を向けて、凰壮の言葉を待った。私の視線があまりに急かしているようだったのか、凰壮は「なんだよ……」とたじろいでいるようだった。

「は、話って……?」
「ああ、別にこれといって話はないけど」
「え……?」
「時間あるからちょっと話していこうかなって思っただけ」

散歩でもしようぜ、と凰壮がフッと笑って人差し指で手招く。
一瞬で、先ほどまでの暗い気持ちがどこかに吹き飛んでしまった。今日冷たくあしらわれたことだって、どうだってよくなってしまう。嬉しい。用事があるわけでもないのに、私を誘ってくれることが。なんでもない時間を、私と共有しようとしてくれることが。私のために、時間を割いてくれることが。どうしようもなく。
私はすぐに自転車を家に戻して、凰壮に駆け寄った。

「犬じゃねえんだからさ、そんなに急ぐなよ。こけるぞ」

凰壮が呆れたように笑う。だって、冬の夜は短いもの。まだかろうじて明るいけれど、あっという間に辺りは暗くなってしまう。凰壮だって明日は練習試合があるのだし、こんな寒空の下長々しく私に付き合わせるわけにはいかない。できるだけ、長く一緒にいたいの。
もう十年も一緒にいるのに、全然足りないって思うの。もっと凰壮の傍にいたいって思うの。これって、変かなあ?

「今日、弁当ありがとな」

互いの家の前を通り過ぎ、同じ歩幅で歩き出すと、凰壮が思い出したように言った。まさか、今日のことでお礼を言われるとは思ってなかったので、一瞬言葉に詰まったけれどすぐに「ううん」と首を横に振った。少しだけ、顔が熱くなるのを感じた。竜持の前でふて腐れたのは、感謝されたかったからなわけじゃない。こうして、凰壮に喜ばれたかったからなの。
なんだ。無碍になんてちっともされてなかった。竜持の言った通り、部活中だったからだ。竜持の言うことは、時々適当だったり嘘だったりするけれど、大抵的を射ている。心の中で、安堵の溜息を吐いた。

「なにニコニコしてんの?」
「え、し、してないよ!」
「いや、すっげえしてるぜ。鏡でも見てこいよ」

凰壮が鼻で笑ったような声を出した。小馬鹿にされてるのに、凰壮もどこか機嫌がよさそうに見えるから、敢えて怒らないでおいた。口元に笑みを浮かべる凰壮の横顔に、心臓が締め付けられるような感覚がする。ああ、私、凰壮のこと好きなんだなあって、人生何度目かわからない自覚をした。
適当に道なりに歩いていると、近所の公園の前を通った。美咲公園ほどの大きな公園ではないが、ブランコと滑り台と鉄棒がある、一般的とも呼べる公園だ。いつもは子供で賑わっているけれど、もう時間が時間なので、辺りには誰もいなかった。気まぐれにブランコ乗りたい、という私の希望で、公園に立ち寄ることにした。

二人で並んでブランコに座る。座ったまま後ろに下がっていき、足を離すと、ブランコは意外と大きく上下に揺れた。小さい頃は立漕ぎばかりで、いかに大きく振れるかばかりが楽しみだったけれど、こうやって緩やかに揺られるのも案外悪くないなあと思った。
凰壮は疲れているのだろうか、揺らさず、ベンチ代わりのようにただ座っているだけだった。
そういえば、昔は四人でよくブランコに乗っていたことを思い出す。
三人はずっとサッカーばかりだったけれど、帰り道などに公園に寄って乗ったりしていた。学校の昼休みでは取り合いになるブランコも、練習の帰り道の公園だと今日みたいに人はいなくて乗りたい放題だったのだ。ブランコは二つしかなかったから、一つのブランコに一人が立ってもう一人が座っていた。(今思えば、順番に乗ればよかったのに)大抵振り分けは私と虎太、竜持と凰壮で、虎太は誰と競っているのか知らないが、一回転してしまうんじゃないかと思うほどムキになって漕いでいた。少し怖かったけど、遠くなったり近くなったりする地面が楽しかったんだと思う。だから私は、いつも虎太と乗りたがっていた。

「お前、相変わらずブランコ好きだな」

凰壮の声で、いつの間にか結構な勢いで揺れていたブランコに気付く。思わず、足を伸ばしてブランコを漕ぐのをやめ、地面が近くなった時に思い切り足で地面を削った。微量の砂埃が足元で舞う。
別に漕いでてもいいけどよ、と呟くような凰壮の声が聞こえた。

「ブランコね、好きだよ。運動神経関係ないもんね」
「ああ、お前運動できねえもんな」

観戦は好きなんだけどなあ、とぼやく。凰壮たちの試合を見るのは、昔から案外好きだったりする。もちろん、三人がやっているからっていう理由もあるからだろうけど。でも、その時ばかりは運動音痴の私も凰壮たちと一緒に気持ちが盛り上がれる気がする。

「たかが練習試合に来るくらいだもんな」

そう言われて、まあね、と本心を悟られないよう適当に返事をした。凰壮に頼られないのが寂しいからって、そんなことは口が裂けて口裂け女になりさがってしまったとしても言えない。そんなこと言ったら、まるで、相談しろと無理強いしているみたいだ。

「今日迷子になって半泣きになってたくせに、よく来る気になるよな」
「え、迷子……?」

そりゃあ、ちょっと迷ったけど、迷子になったってほどでもない。私が戸惑ったような声を出すと、「マネージャーがそう言ってたぜ」と凰壮が付け足すように言った。
マネージャーという単語に、一瞬靄みたいな気持ちが芽を出すけれど、頭を振って振り払った。
それにしても、半泣きだったのは、マネージャーに怒鳴られたからなのになあ。事実との差異に一瞬困惑してしまったけれど、なんてことはない。マネージャーは怒鳴ったつもりなんてなくて、本当に私が迷子になって半泣きになってたと思ったのかもしれない。
まあ、わざわざ訂正することもないし、適当に流しておこう。

「明日は、虎太と一緒だから大丈夫だよ」
「……ふうん」

不意に凰壮がつまらなそうな顔をしたので、どうしたのかと首を傾げると、またいつものように笑って「はぐれないように、手でも繋いでもらってろよ」とせせら笑う。

「うん……?」

変なの。確かに、虎太はいつも先頭きって走って行っちゃって、私は置いてかれるばかりだった。虎太は、目を離すとすぐにはぐれてしまう。竜持だって、私のことを待っていてはくれない。けれども、私が三人とはぐれずにいれたのは、いつも二人の後ろで振り返って「早くしろよ」と急かしてくれる凰壮がいたからだった。私が三人に置いて行かれなかったのは、凰壮のおかげ。
はぐれないように手を繋いでくれていたのは、凰壮だったのに。
変なの、凰壮。変なこと言うのね。

完全に日が落ちて、早い夜がやって来た。寒さも数段増したので、そろそろ帰ろうかと、二度目の家路に、今度は二人きりで着いた。
先ほど一瞬だけ見せた凰壮の表情が気になったけど、それからはいつもの凰壮とやはり変わりなかったので、気のせいかと一人考えた。



次の日、お昼前に降矢家に寄って虎太と合流する。凰壮は既に出かけた後だった。竜持も誘ったけれど、用事があるとかで断られたので、虎太と二人で凰壮の学校に向かった。

学校に着くと、冬休みなのに人が多いことに気付く。まあ練習試合があるのだし、他の部活も活動しているのだろう。みなジャージだったりユニフォームだったり制服だったりして、私服の私と虎太は明らかに浮いていた。
やっぱり少し勇気がいるな、と思っていると、そんなこと気にしない虎太はズンズン校内に入っていく。虎太のそういうとこ、羨ましいなあと小走りで後を追いながら苦笑いした。
虎太の後ろについて行きながら、柔道場の場所を探す。こんなことなら、昨日場所を聞いておけばよかった。
途中、すれ違う女の子たちが「あれ、降矢くんじゃない?」「でも、なんか雰囲気違くない?」と囁き合うのが聞こえた。

「あれ?降矢くん」

囁きが今度は投げかけられたものに変わったと気付くと同時に、その声に聴き覚えがあることに気付く。振り返ると、マネージャーがキョトンとした顔でこちらを見ていた。

「あ……」
「あ、昨日の……」

マネージャーは私に視線を送る。条件反射のように、虎太の陰に隠れてしまった。怖いことなんてなにもないのに、昨日の警察云々が地味に効いていた。ただでさえ人見知りなんだから仕方がない。

「っていうか、え?降矢くん……?」
「降矢だけど違う」

虎太が短く答えた。
虎太の返答に、マネージャーも「ああ、そうか三つ子の……」って納得したような声をあげた。

「ふうん、こんなに似てるんだ」

そう呟いたマネージャーが、私と虎太を交互に見た。
見比べるなら、私とじゃなくて凰壮とだろうに。何がしたいんだろう。虎太のモッズコートを握って、背中から覗くようにマネージャーを見た。
すると、マネージャーは昨日の別れ際見たような笑顔でフっと笑う。どうして笑うんだろうと思わず疑問符を浮かべたらそれを察したかのように「ごめんなさい」とマネージャーが言った。

「ただ、お似合いだなあって思っただけなの。降矢くんよりも、お兄さんの方が合ってるんじゃないですか?」
「……は?」

何を言われたのかよく分からず、思考回路が固まってしまった。合ってる、って……何が?

「降矢くんの彼女さんなんですよね?」

そう言われて、ゆっくり首を縦に振った。

「でも、お兄さんといる時の方が、なんかいい感じですよ。恋人っぽくて」

どうして、昨日知り合ったばかりの子にこんなこと言われないといけないのだろうか。あまりにも不躾ではなかろうか。
昨日まで渦巻いていた嫉妬と今言われたことへの不快感から、嫌な気分がムクムクと育って、心臓がうるさく鳴った。
虎太のコートを握った手が小さく震えたのがわかった。

「降矢くんといる時は、正直そう見えなかったし」
「な、なんで」
「え?」

手だけではなく、声が震えた。きっと、感情が高ぶっているせいだ。悪い意味で。

「なんで、そんなこと言われないといけないんですか」

人見知りの私が、ほぼ初対面の他人に言い返すなんて、ほとんどありえないことだったけれど、思わず口をついて出てしまった。だって、どうしてこんなこと言われないといけないかわからなかったのだ。
凰壮といて、そう見られないのなんて、自分が一番理解してる。
釣り合わないもの。どうしたって。時々凰壮の傍にいることが烏滸がましいとさえ思ってしまうほど、私は自分に自信がないのだ。そして、余裕もない。だから、そんな風に図星を突かれれば、すぐに崩れてしまう。

「……そうですね、失言でした。すみません。試合を見に来たのなら、柔道場はあっちですよ」

マネージャーは簡単に柔道場の位置を案内してくれて、去って行った。
私はと言うと、虎太の背中に隠れたまま、俯いてしまっていた。情けない。人の背中に隠れないと何も言えないのだろうか。しかも、あんな風に感情をぶつけてしまって。あの子は謝ったのに、私は言うタイミングを逃してしまった。悪いことした。自分が恥ずかしい。私は自分を恥じてばかりだ。だから、凰壮みたいな、なんでも勉強もスポーツも秀でてしまう人の隣にいることに、時々不安を感じてしまう。私でいいのか、と。
凰壮に頼られないのも、私がこんなに情けない人間だからではなかろうか。昨日凰壮に吹き飛ばしてもらった感情がまた育つ。雑草みたいに根強い。
いつからこんなに卑屈になってしまったのか、私は。

「夢子」

顔を上げると、睨むような虎太がこちらを覗いていた。
気分を悪くさせてしまったのかもしれない。つい、感情的になって嫌な言い方をしてしまった。窺うように笑って「な、なあに?」と尋ねると、虎太は無造作に私の頭を撫でた。髪の毛がぐちゃぐちゃに絡まる。

「行こうぜ」

歩き出す虎太から、離れないようについて行く。「女ってこえーな」と独り言のように呟いた虎太の声が耳に届いて、思わず苦笑いした。

それにしても、あんなこと言ってくるなんて……。マネージャーって、もしかして、凰壮のこと……。
そんな邪推を、頭の隅でした。



柔道場に入ると、柔道部らしき人の他に、明らかに無関係そうな数人の制服姿の女子たちの群があった。皆楽しそうに笑っては、時々囁き合っている。なるほど、あれがファンか……と視線を送っていると、凰壮が「やっぱり来たのかよ」と言いながらこちらに歩み寄ってきた。
凰壮の顔が見れて、どこか安堵する。

「……なに掴んでんの?」

凰壮の視線が、虎太のコートを掴む私の手に注がれる。慌てて離して、「なんでもない」と苦笑いした。

「……ふうん」

そうつまらなそうに返事をした凰壮は、「邪魔になんねーとこにいろよ」と言って戻っていった。私と虎太は、柔道場の端っこに座って、柔道部を眺めた。
私の高校の柔道場なんかよりも、ずっと広い。(と言っても、二回しか入ったことはないのだけれど)さすが名門校だ。
三十分ほど乱取りを行うと、すぐに試合は始まった。

正座している凰壮を見つめていると、竜持の言葉が頭をよぎった。「凰壮くん、本調子じゃないみたいですから」凰壮、大丈夫だろうか。



大丈夫ではなかった。
凰壮が本調子ではないと言うのは、正にその通りだった。見るからに絶不調といった感じで、夏に見に行った大会よりも数段動きが悪かった。
スランプ、というのは誰にでもあるのだろうか。サッカーをやっている時には、そんな話聞いたことなかったから、にわかには信じられなかった。

次で今日最後の試合。凰壮はまだ一勝もできていない。
正座した膝の上で、強く拳を握った。

「あ、あの子」

夏の大会で、凰壮と闘ってた子だ。同学年の子。凰壮が天敵だって言ってた。すごく強い子で、夏は凰壮がなんとか勝ったけど、今日はどうだろうか。手に汗握った。

試合が始まる。凰壮は積極的に組みに行こうとするが、なかなか組ませてもらえない。苛々している凰壮は、ますます冷静さを欠いているようだった。らしくないなあ、と顔を顰める。

――あ。

さっきまで全然組ませてもらえてなかったのに。いつの間にか、凰壮が投げられていた。綺麗に一本決まる。
どこからか、「あーあ」という落胆の声が聞こえた気がした。



試合が全て終了し、ギャラリーも捌けだした。
虎太に「帰ろうぜ」と促されて、私も帰ろうと腰を上げたけれど、どうしても凰壮が気になって仕方がなかった。
凰壮に頼りにされたい。でもそれ以上に、凰壮に笑っていてほしいし、そのためにはなんだってしたい。
だから、どうしたって、このまま帰るわけにはいかなかった。

「虎太、ちょっと凰壮のとこ行ってくる」
「……やめといたほうがいいだろ」
「でも……」

虎太の言葉を聞かず、振り切る様に凰壮のところへ行った。
凰壮は、外の水飲み場で顔を洗っていた。横にはマネージャーがいて、何か話しているようだった。少し足がぎこちなくなったけれど、意を決して凰壮の元に駆けて行った。

「凰壮!」

タオルで顔を拭う凰壮と視線がかち合った。マネージャーも不思議そうに私を見た。
凰壮が、不機嫌そうに眉を顰める。

「……なんだよ」

試合後で気が立っているのだろう。すごんだ凰壮は少し怖い。一瞬怯んだけれど「あ、あのね」と切り出した。

「今日の試合だけど、あの、気にしないほうがいいよ」
「なんだよ、そんなくだらねえこと言いに来たのかよ」

さっさと虎太のところ帰れよ、といつになく吐き捨てるように言った。
いつになく空気が悪い。

どうしてここでやめなかったのだろう。

私はどうにかして凰壮の機嫌を取りたかった。だから凰壮の帰れという言葉の聞かずに「調子悪い日は、誰にでもあるし」と続けた。
凰壮は、大きなため息を吐いた。

「夢子……」
「あの、凰壮が、もっと強いってことは、私知ってるし、だからその、そんなに気に病むこと……」


「うるせえって言ってんだろ、いい加減にしろよ!」


瞬間、私の言葉に被せるような凰壮の怒鳴り声が響いた。
驚きで、肩がビクついた。
凰壮に、こんな風に感情のまま怒鳴られること、今までなかった。説教とか、そういうことはあっても、今のはどちらかと言うと、鬱陶しいと、煙たがっている怒鳴り声だった。
マネージャーも、驚いたように凰壮を見た。

驚きで声を失うと、ハッとしたように目を見開いた凰壮がこちらを見た。そしてすぐ、困ったように眉を下げた。まるで「言ってしまった」と後悔しているようだった。

あ、そうか。凰壮、思わず言っちゃったんだ。
そうだよね、試合の後に、私無神経だったよね。気が立っている凰壮に、言うつもりのないこと言わせてしまった。最低だ、私。
だったら、せめて私は今、いつもの喧嘩みたいに、軽く受け流してしまうべきなんじゃないだろうか。そうしたら、凰壮も自分が思わず怒鳴ってしまったこと、気に病まなくて済むだろうし。凰壮は優しいから、きっと気にしてしまうもの。凰壮が怒鳴ったこと、なかったことにしよう。

よし、ここは、いつもみたいに、私がふて腐れて、そんで軽口叩き合って、それで、お終いにしてしまおう。これは、いつものなんてことない喧嘩。うん。それがいい。よし。

よし……。



「………………ごめんなさい」



思考とは裏腹に、口から出たのは情けないほど弱弱しい謝罪の言葉だった。まるで、今にも泣きだしそうな声。

馬鹿だなあ、私。なんで、こんなシリアスな雰囲気にしてしまうの。



ほら、凰壮だって、あんなに悲しそうに顔を歪めてしまったよ。
失敗した。
頼られるどころか、私、最低だ。



(2013.04.26)

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -