永遠に一度しかこない九歳の夏休み。あの日に、私の小さな箱の中は、眩いもので溢れた。
それは私にとってくすむことなく永遠に輝いて、甘く懐かしく少しだけ悲しく、息もできないほど貴き拠り所であり、宝物のようなものだった。
私だけの大切な宝物は、誰にも悟られないように、秘密の宝箱に鍵をかけてしまって時々慈しむように開く。

そうしてちょっとだけ、泣くんだ。

あの、自由で、無敵で、目に映るだけの世界で生きることができた日々を想って。












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