「凰壮、暗証番号教えてよ」

ベッドの上で寝転がる凰壮に彼のスマートフォンを振りかざすと、凰壮は眉を顰めて「なにすんの?」と尋ねた。

「彼女による抜き打ちエッチ画像が入ってないかのチェックでーす」
「入ってねえよ」
「じゃあ暗証番号教えてよ」
「なんでそうなるんだよ」
「やましいことないなら見せられるじゃん。いいんだよ別に。健全な男子高校生だもん、エッチな画像の一つや二つ、当たり前に決まってんじゃん。ただちょっと凰壮がどういうのが好きかとかちょっと興味あるだけだよお」
「やだ。お前竜持とか虎太に変なメール送りそうだし暗証番号勝手に変えそう」
「……」
「……マジかよ。ガキか」
「いいじゃーん、教えて教えて!悪用しない」
「ぜってーやだ」
「ひどい!こんなに頼んでるのに!」
「じゃあお前の暗証番号も教えろよ」
「絶対やだ」
「……うぜえ」
「いいよーだ、暗証番号当てちゃうからね!」
「……勝手にしろよ」
「……」
「……」
「……あ、違った」
「何番?」
「凰壮の誕生日」
「在り来たりすぎね?」
「いや、裏をかいて逆に誕生日、的な」
「なんの裏をかいてんだよ」
「……また違った」
「何番」
「竜持の誕生日」
「馬鹿なの?」
「じゃあ次は虎太の」
「……」
「……あ、ロックかかっちゃった。一分待たないと」
「もう諦めたら」
「やあだよお!」
「……」
「……」
「教えてやろうか」
「え、いいの?」
「だってお前このままずっと続けそうじゃん。本当にロックかかって開かなくなったら困る」
「うんうん、さすが凰壮!」
「あのなー」
「うん」
「……お前の誕生日」
「えっ」
「……」
「……」
「……一分経った?」
「うん……入れるね……」
「……」
「……」
「……」
「……凰壮」
「ん?」
「パスワードが違いますって出てるけど」
「馬鹿じゃん」
「え、ちょっと待ってもしかして嘘ついた?」
「馬鹿じゃん」
「ひどい!」
「もういいだろ、返せよ」
「ひどい、凰壮の馬鹿!あほ!馬鹿!」
「お前ボキャブラリーそれしかないわけ?」
「怒りで頭が働かない!私のトキメキ返して!」
「はいはい。じゃあさ、俺たちが付き合った日入れてみ?」
「は、もう騙されないんだからね……」
「……」
「……え、まじ?」
「……」
「……」



「凰壮」
「なに」
「ロックかかったんだけど」
「馬鹿じゃん」
「トキメキ返してよ、馬鹿―!」





(まとめ:20140430)
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