※台詞のみ




「新開、誕生日おめでとう」
「ああ、ありがとさん」
「プレゼントに、新開の好きなところ、歳の数だけ言おうと思うんだけど」
「ヒュウ!そんなにオレの好きなところがあるのかい?」
「あるよお。十八個じゃ足りないくらいだよ。まずね、口がうまいところでしょ」
「それ、本当に好きなところか?」
「もちろん!それからねえ、怒らないところ。待ち合わせに遅刻しないところ、頭撫でてくれるところ、頼りになるところ、時々宿題忘れちゃうところ、割りばしを綺麗に割るところ、髪の毛の色、後ろから見た首、私服で着てる赤いTシャツ、お菓子のシーエムソングはなんでも歌えちゃうところ、食べ終わったカップめんの容器洗ってから捨てるところ……今何個?」
「十二個だよ」
「ふんふんあと六個ね。ええと、頼んでないのに数を数えていてくれるところ」
「ははは」
「聞いてないように見えて、私のくだらない話、何でも真面目に聞いてくれて、なんでも笑ってくれるところ」
「聞くさ」
「食いしん坊なのに、自分の食べ物分けてくれようとするところ」
「大したことじゃないだろ」
「あとね、照れくさいことを、照れずに口に出して言えること」
「へえ、たとえば?」
「ありがとう、とか。新開があんまり真っ直ぐ褒めるから、荒北がよく照れてる」
「感謝してるんだから、当たり前だろ」
「あとね」
「?」
「好き、とか、前触れなく言うのも、そう。私ばっかり照れる」
「なんだ。おめさん、照れてたのかい」
「なんだと思ってたの」
「顔真っ赤にして、可愛いなって思ってた」
「……それを照れてると一般的には言うと思うんだ」
「ああ、そうだな」
「……」
「……照れてるだろ」
「か、可愛いとか言うから……」
「そっか」
「……」
「……なぁ」
「ん?」
「キスしていいか?」
「……え、と」
「ダメかな?」
「だ、ダメなんて、言ってない」
「それもそうだな」
「わっ……」


…………。


「……」
「……新開、の」
「ん?」
「キスしたときにする、パワーバーの味がするところ。好き」
「そう思って、いつも食べてるんだ」
「嘘ばっか……」
「ははっ」
「……」
「……で、最後の一つは?」
「…………最後の一つ、は」



今日、生まれてきてくれたこと。





おめでとうございます〜(20140715)
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