2

「誰だ、貴様。」

カイは内心困惑しながらも、なんとか平静を装いつつ、目の前の人物に尋ねる。

そのもの言いにユーリは多少のいらだちを覚えた。

何なんだ、この女は?
他人の部屋にいきなり侵入しておいて、なんてふてぶてしい。

「それはこちらの台詞だ。
部屋を間違えたのではないのか?」

しかしここで、ユーリはあることに気がつくのだ。そう、この部屋はカードキー。決まったものしか入れない仕組みになっている。

と、いうことはだ。

「まさか…貴様が火渡カイか…?」

尋ねられて、カイもはっとした表情をする。

「では、貴様がユーリ?」

黙って頷きあったあと、何となく気まずい沈黙のなかで、適度に視線を彷徨わせながら、お互いを観察していた二人だったが、ユーリがおもむろに口を開いた。

「本当に女か?」

「馬鹿か。当たり前だろうが。」

カイは、その言葉に、憮然として低い声で返す。この男、失礼にも程がある。

「すまん…」
「ああ」

再び沈黙。

先に口を開いたのはまたしてもユーリだった。

「コーヒーが入ったから…飲むか」




[*prev] [next#]


→TOP


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -