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世界大会は様々な国で試合を行う。そうなると、どうにも慣れない気候の地にも滞在しなければならないのであって。

わたしは、母国とはかけ離れた、うだるような暑さに完全に参ってしまっていた。
夏だから、というけれども、これはわたしの知ってる夏と違う。

そんな中、少しでも涼しく過ごすために、薄着になるのは当然だと思うのだが。

「おい!ユーリ!
いくら暑ィからって、そんな恰好で外に出るなっていつも言ってるだろ!」

ボリスをはじめ、チームメイトたちは、それがどうしても許せないらしい。

「貴様、いちいちうるさいぞ」

そしてわたしは、そんなことで非難されることに不満を持っている。

「ばか!何かあってからじゃおせーだろ」

「フン、返り討ちにしてくれるわ」

男といえど、この私に敵うやつなど、そうそういるものか。


そんな油断が命取りだった。

ボリスが上着を取りにいっている隙に、何食わぬ顔で部屋を出た私は、ものの数十分もしないうちに、きちんと忠告を聞かなかったことを後悔する羽目になるのである。





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