12
「小波…俺がここに来た意味は、わかっているだろう?」
「おう、行くんだろ?街を守りに」
緊張してあまり寝なかったハズなのに妙に頭の中はスッキリしていて変な感じだ
「ああ、そうだ。三皇帝を名乗ったうちの残りの二人…ホセとルチアーノとの決着をつけに行く
奴らが指定してきた場所は、シティの郊外…隕石が落ちたと言われているあたりだ」
そこなら人気も無いし、シティの中心よりはかなり離れているから被害は無いだろう
逆に人気が無いって言う事は、余程の事が無い限り助けは来ない。
「これは、罠かもしれない。いや、間違いなくそうだろう。当然今まで以上に厳しいデュエルになる事は覚悟している
そんな事は百も承知だ。だが、それでも俺は…ここに来た。俺はもう、お前の気持ちを無視して勝手に心配する事はやめたんだ」
「シグナーでもないお前をこの戦いに巻き込んだのは俺だ。その事はすまないとは思う。だが、後悔はしていない」
「俺が今、タッグを組みたいと思うのは…小波、お前だからだ」
つくづく不動遊星という男は真っ直ぐな人間だと思う「お前となら、どんな罠が待ち受けていようと恐れはしない。ここまでのデュエルを通して、小波に強い絆を感じている」
「そして…」
「そして、俺は…お前も同じ気持ちでいてくれる事を願う。一緒に来てくれるか、小波?」
「何を今更、遊星が頼まなくともついていくぜ。ストーカーにでもなってやる」
からから笑うと遊星も笑みを返してくれ、柔らかい雰囲気になった
「そうか!ありがとう、小波」
「お前も同じ気持ちだったと知ることができて、とても…心強い。」
遊星の顔がほんのり赤みを帯びていた。遊星はそれを悟られまいと顔を背けた。
…バレバレなんだけどね
しばらくして真剣な表情になった遊星が口を開いた
「行こう、決闘の地へ。お前とのタッグで俺はこの街を、ここに生きる人々を守ってみせる!」
「あぁ、闘う前にデッキも調整しないとな」
いそいそと俺はエキストラデッキにキメラティックフォートレスドラゴンを入れたり、王虎ワンフーを入れたりしていた。
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