第一柱
「うーん、やっぱり従業員の数が足りないですね」
こんばんは。鬼神のなまえです。地獄にある等活地獄のうちの一つ、不喜処地獄の主任をしています。
不喜処地獄とは、まあ簡単に言いますと、動物を虐待した方がいく地獄です。
日夜、動物の獄卒さん達がせっせと亡者さんを噛んでます。
今は、不喜処地獄にある事務所のようなところで事務作業中です。主任が事務作業をしているなんて他の地獄の方には言えませんね。
まあ、それほど人手が足りていないということです。
「なまえ様〜!鬼灯様より伝言です!」
「兄様から?なんですか?」
鬼灯様とは私の兄のことです。
閻魔様の第一補佐官をしていて、とてもすごいお方なんです。
「この三匹を新しく不喜処で働かせてください。これで従業員不足は解決しましたか? だそうです!」
「あら、さすが兄様。これで解決ですね」
仕事が早くて自慢の兄です。
新入りさんは、この白いワンちゃん、キジさん、お猿さんですね。
「これからよろしくお願いしますね。不喜処地獄の主任、なまえといいます。分からないことがあったら気軽に聞いてくださいね」
そう言ってそれぞれの頭を撫でると、何故か皆さんきょとんとした顔になりました。
「鬼灯様の妹だからもっと怖いと思ってたー」
「お、おい、シロ……」
「あら」
ふふふ。兄様はいつも怖い顔をしていますからね。本当はすごくお優しい方なのですが。
「よく言われます。兄様はあれで優しいところもあるので、あまり怖がらないであげてくださいね?」
「はーい!」
さて、溜まっている書類を早く片付けて久しぶりに兄様に会いに行きますか。
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