伍!
まだ歩きなれない足で頑張って柔兄のところまで行く。
「じゅ、柔造さん?その子だれどすか?」
「末の妹のなまえや。なまえ、挨拶しい」
「なまえです。えっと、よんさいです!」
やった!上手に自己紹介できましたよ!
ドヤァという顔で柔兄を見ると、ニコニコとした(少し)だらしのない顔で私の頭をなでてくれました。
ぽかんとしているお姉さん二人を観察してみます。
お二人とも美人さんですねぇ。透き通るような白い肌に、これもまた透き通るような髪。
盾姉も綺麗ですが、それとはまた違う美しさがありますね!
「なまえ!こっちこい!!そんな女なんかに近寄るんやない!!」
ズルズルと引きずられて金兄の膝へ座られられました。むにむにとほっぺたを触る金兄。ちょ、痛いのですが……。
それと、先程から突き刺さるような視線が向こうから……。
「へ、へぇ。猿にこんなかいらし妹がおったなんて知らんかったわ。……」
「ん?なんや言いたいことがあるんならはっきり言ったらどうや?」
き、金兄。そんな悪人面しなくても……。
正直金兄がほっぺたをさわるの痛いんであっちのお姉さんのところへ行ってもいいでしょうか。
うりゃ。っといって金兄の膝から脱出する。金兄の口から「あ……」なんて言葉が出たのなんて知りません。痛いんですよ、まったく!
「おねえさんのおなまえは?」
「あ、あてらは青と錦いいます。よろしゅう」
なるほど!少し目元がキリリッとしているお姉さんが青さんで、ぽやあんとして目元が優しいお姉さんが錦さんですね!!
「あおねえ!にしきねえ!よろしゅうな〜」
ばっちり覚えましたよ!!
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