「お姉さーん! 遊びにきたよ」

お、カドルスくんが来たみたいだ。
最近では人型でも平気になってきたんだよね。はっ、これがランピーの狙い?
まんまとあいつの策略に引っかかった自分が悔しい! まあ、そのおかげでカドルスくんと仲良く慣れたから結果オーライなんだけど。

「いらっしゃー……い?」

あ、あれー? おかしいなぁ。カドルスくんの他にも人が見えるよ。あっ、思わずドアを閉めちゃった。

「あれ?! お姉さん? 開けてよ!」

うぅ、ごめんねカドルスくん。
そうだ! あれは幻覚だ。あれだね、昨日本を遅くまで読みすぎちゃったんだね。疲れ目ってやつだ。

「ごめんなさいカドルスくん。私の見間違いだったみたいです」

先ほどの失礼を詫びるつもりで笑顔でドアを開けたら、ピンク色のものと紫色のものがすごい勢いで部屋の中に入ってきたよ。びっくり。

「ギグルス、トゥーシー、お姉さんに挨拶しないとダメだよ」

カドルスくんがたしなめると、二人が挨拶をしてくれました。

「こんにちはイヴさん。わたしギグルスっていいます」

か、可愛い!!

「僕はトゥーシー!」

そっかぁ二人とも可愛いね〜……って二人とも? なんで私の袖を引っ張ってるのかな? なんだか扉に近づいているのは私の気のせい?

「ギグルスちゃん? トゥーシーくん? 何をしてるのかな?」

何気に力が強くて腕が抜けない。
二人+カドルスくんは、にっこりとそれはもう無邪気な笑顔で答えてくれました。

「お姉さんも外で遊ぼうよ! サッカー楽しいよ!」

恐ろしい子達だ。
踏ん張っても引きこもっていた人間と元気いっぱいの子供達との力の差は歴然だ。あれよあれよという間に公園に連れてこられてしまった。うぅ、太陽が眩しいよぅ。

でも、なんだかんだ言ってもやってみると楽しいものだね。久しぶりにこんなに運動したよ。

「お姉さん! そっちにボールが入ったよ!」

「あぅ」

飛んできたボールは私の顔に直撃。痛い……。結構な速度で飛んできたボールの衝撃に貧弱な私の体が耐えられるはずもなく、ふらりと視界が傾いた。あっ、と思った時にはもう遅く、地面とぶつかる! と思ったら何かに体を包まれた。

「大丈夫か?」

鮮やかな緑が見えたところで私は気を失った。あぁ、今日は人と会いすぎた。キャパオーバーだよ。あとでランピーに八つ当たりしてやる。

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