ハリーと消えたガラス


ハリーがダドリー達のところへ行くと、4人は丁度昼食を食べ終わっていた。

一番にハリーに気づいたのはダドリーだった。ハリーの方を向いてニヤリと笑うと、

「ママ!ハリーが戻ってきたよ!」

と大声で言う。
それを聞いたおばさんは、キッとこちらを睨みつけ、

「どこへ行っていたの?心配したのよ?」

と、到底心配しているとは思えない声色で言った。

(そんなこと思ってないくせに…)

ハリーは、どうせまわりの目を気にしているのだと思ったが、ここで機嫌を損ねられたら後が大変だとわかっているので、愛想笑いを浮かべて謝る。

「ごめんなさい。人が多くてなかなか見つけられなくて…」

おばさんは無視をすることにしたのか、さっさとフードコートから出て行ってしまった。
その後にダドリーとピアーズが続き、おじさんも出て行くかと思いきや、ハリーに近づいてきて、

「おい小娘。今日は晩飯抜きだからな」

と言い捨てて行く。

(今日はご飯抜きか…)

そう思うと少し憂鬱になるハリーだったが、ポケットに入っている食べかけのチョコの存在で幾分か気が軽くなった。